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JEITA代表理事の長尾尚人氏
JEITA代表理事の長尾尚人氏
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 電子情報技術産業協会(JEITA)は、農業や観光・サービス、ヘルスケア、環境・エネルギーなどの地方のさまざまな産業と、JEITAの会員企業によるIT活用の連携事例を紹介した「IT・エレクトロニクス×地域活性化百選」(以下、百選)を2014年11月に発行した(関連サイト)。発行を主導したJEITA代表理事の長尾尚人氏にその狙いと今後の展望について聞いた(聞き手は吉田 勝、大久保 聡)

Q 百選を作った狙いを教えてください

 これまでも地方活性化の取り組みは幾つもあったが、お金をばらまいて終わりというものが多かった。本当に地方創生に取り組むなら、地方にある農業や医療、観光、商業、サービスといった産業を活性化する必要がある。その活性化を効率的に進めるにはITを活用するしかない。そこで具体的にITでどう効率化すればよいかを実際に見てもらう、つまり「IT導入の効果を見える化する」という趣旨で百選を作った。これまでも地域産業の意欲的な取り組みを紹介するという点で似たようなものはあったが、多様な業種にITという横串を通して広がりのあるものを見せたかった。

Q 具体的にどういう使われ方を想定しているのでしょうか

 地方の企業が新事業のアクションを起こそうとすれば、資金調達のために地方銀行(地銀)などの地元の金融機関に相談に行くだろう。その際に、その新事業提案の参考資料として活用してもらえればよいと考えている。地銀はお金は持っているが、保守的なため実績がないとなかなか貸し付けには応じてくれない。その際、百選に既に実績にある類似事業が載っていれば、与信の重要な材料となり得るだろう。

 例えば、私の出身母体である日本政策投資銀行は地銀とのネットワークを構築してよい信頼関係を築いている。そこで、そういうルートを使って百選を地銀に配布したり、商工中金のような地方に密着した金融機関に百選を提供したりして、現場で活用してもらう働きかけをしている。既に、地方の金融機関や参加企業、関連する市・町などから追加部数を求める声も届いている。この百選が保守的な金融機関を動かすための材料となればよい。

 ただし、現在の百選の掲載事例は基本的にJEITA会員企業の自薦によるものを紹介しているため、必然的に大手メーカーや中堅企業の例多い。今後、第2、第3弾の事例紹介をする際は、大手企業だけでなく、電子部品メーカーなど地方に根を張っている企業を積極的に紹介していきたい。

JEITAが発行した「IT・エレクトロニクス×地域活性化百選」。JEITAのホームページからダウンロードできる
JEITAが発行した「IT・エレクトロニクス×地域活性化百選」。JEITAのホームページからダウンロードできる
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