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 アプリックスといえば、パソコン向けのCD-Rライターソフト、携帯Javaプラットフォームソフトウエア、Androidなど、その時代に応じた製品を手掛けてきたソフトウエア企業として知られている。同社が今、注力しているのが、Bluetooth Smart(Bluetooth Low Energy、BLE)モジュールを白物家電や美容家電などの軽家電に組み込むビジネス。最近では、家電の企画・販売を行うドウシシャとBLEモジュールを組み込んだ家電を試作し披露した(関連記事)。アプリックスはこのBLEモジュールを使ってどんなビジネスを描くのか。アプリックス 代表取締役 兼 取締役社長の郡山龍氏が語った。(聞き手は中道 理)

―最近、御社が出したニュースリリースに「今回、『HomeKit』に世界で初めて対応」と書いてあります。(米Apple社の家電制御フレームワークである)HomeKitって他社は手掛けてないのでしょうか。

 HomeKitへの対応を無線LANでやってるところが多いんですよ。Bluetooth Low Energy(BLE)というのは今のところ、うちしかないんですよね。そういう意味で世界初。HomeKitはビジネスになるからというよりも、面白いからやっているという感じです。ビジネス自体は、HomeKitでできるコントローラーではなくて、浄水器だったり、空気清浄機だったり、ペットのトイレだったり、そういうところがメーンになってくるかな、と考えています。Bluetooth Low Energy(BLE)のAdvertisingフレームを使って、浄水器の場合はフィルター交換の時期を知らせてくれるというものです。

 2010年からずーっと、今はiBeaconって名前ですけど、当時はNotificationというのをずっとやっていたので、それがやっと芽が出そうな感じです。

―2010年のときには、iBeaconはありませんでしたよね。

 BLEの本来の機能が、実はそのまま、iBeaconなんです。Apple社がiBeaconていう名前を付けて、iOSに対応させたというのが本質で、元々はBLEのAdvertisingっていう機能なんです。コンセプトというか概念自身は2010年からあったわけです。ただ、実用的なソリューションをiBeaconという形で、Apple社が出してきたのが大きい。

―2010年当時から、今のようなビジネスを考えられていたと。

 はい。当時から、特許をかなりその周辺で出してます。僕らはBLEの仕様を見たときに、Advertisingだけで動作するもの、って捉えたんです。そこから、ずっとそのことを研究していて、関係しそうな特許はタイムリーに出しています。例えば、Advertisingって下り一方の通信だけでやり取りをするのですが、その場合、相手に到達したことを確認する方法だとか、照明の制御のためのパケットを一斉同報で投げると、そのパケットの暗号化データが解けるグループの照明だけ点く仕組みだとかを考えました。また、ブロードキャストを中継していく仕組みも考えました。

―他社で最近、ブロードキャストのマルチホップ通信技術を盛んに宣伝してますね。貴社の特許に引っかからないんですか。

 そういうものはこれから、いろいろ引っかかってくるとは思います。ただ、防衛的に特許出願している部分も多くて、特許が取れるかどうか分からないけど、他社に取られちゃうとすごい困るよね、っていうようなものも出していたりします。つまり、基本的な特許は我々のビジネスを守るためにあって、それを使って、相手を訴えようとは今のところ考えていません。