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トヨタテクニカルディベロップメント 代表取締役副社長 宮田博司氏
トヨタテクニカルディベロップメント 代表取締役副社長 宮田博司氏
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原理原則だけの勉強では不十分

――自動車のIT化や電動化の進展を考えると、確かに自動車開発に必要とされる技術領域は広がる。技術者は、どのように知識を習得するのか。

宮田氏 自動車のIT化やパワーエレクトロニクス化はさらに進んでいくと思われるが、その開発に携わっていくとなると、従来の枠組みではそれに必要な技術情報やノウハウが社内だけでは充分でなくなることが予測される。従って、技術者たちは自ら勉強しなくてはならない。大学など学校で習った内容にまで遡らねば、必要な技術力を身につけることが難しい場合もある。

 だが、学校で習ったことだけでよいかといえば、そうではない。学校は“本当に使える”という意味での教育とは異なり、どうしても原理原則になるだろう。設計現場で必要な技術力とは「この回路の設計は、本当にこの抵抗値でよいのか。余裕度はどう確保するんだ」といった、製品に適用できる設計図が描ける、製品の使用状況を踏まえた条件での実験を実施できるといったことである。原理原則を知るだけでは十分に対応できない。

 さらに言えば、「分かっているつもり」「できているつもり」が一番困る。技術力に自信があったとしても、その技術力が本当に使えるレベルにあるのか、また、自分の専門分野以外も含め、全般に渡り、技術者全体で見るとどの水準にあるのかを確かめることが大事だ。

 自分の全般的な能力を、実用的な意味でレベルをきっちり確かめることができる点で、E検定は有用であると考える。

――技術者になったからこそ、“実用的な意味”での勉強が必要ということか。

宮田氏 学校で原理原則を習ったこと、もしくは学校の試験問題が解けたことと、実際の製品を設計できることには少しギャップがあると思う。実際の製品を設計する場合、原理原則以外の知識も必要だからだ。

 例えば、材料に関する知識。Aという材料は誘電率がいくつだから、アンテナの材料に用いると性能がどうなるのかといった部分を、学校で学ぶ機会は少ないのではないか。製造コストを念頭に置いた設計は非常に大事だが、学校で習う内容とは違う。量産性や信頼性などを重視する設計も、学校で学ぶ機会は少ないだろう。