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 ジュピターテレコム(J:COM)と住友商事グループの国内電力事業会社であるサミットエナジーは、家庭の電気料金を削減する電力サービス「J:COM電力」の提供を、J:COMサービスエリアの一戸建ておよび小規模集合住宅にも2016年4月をメドに拡大すると2015年4月3日に発表した。2016年4月に予定される電力小売全面自由化をにらみ、J:COMは低圧電力の小売サービスを行う決断をしたということだ。料金は、J:COMの放送・通信サービスとセットで加入することにより、従来の電力会社よりも割安な料金体系にする予定である。

 J:COM電力の現状と、一戸建てへのサービス拡大について、代表取締役会長の森修一氏と電力事業推進部長の小森智幸氏に聞いた。(聞き手は日経ニューメディア編集長、田中正晴)

─2013年に関東を皮切りに開始した、50戸以上の集合住宅を対象に展開する現行のJ:COM電力(マンション電力一括受電サービス)の状況は。

電力事業推進部長の小森智幸氏(左)と代表取締役会長の森修一氏(右)

 マンション電力一括受電サービスは、(1)マンションオーナーや管理組合との契約、(2)当該物件に居住する全世帯からの同意(いわゆる全戸同意)、そのあと工事を経て(3)送電開始と進行する。J:COMグループ(子会社のアイピー・パワーシステムズを含む)では、契約済みの物件が合計で約610棟(6万6000世帯)というのが現状である。

─この進捗は計画と比べるとどうか。

小森 遅いと森会長には叱られている。ただ、初動からの獲得状況は、我々の営業力が武器になり、一定の成果が出ている。

 旧J:COMエリアにおける集合住宅を事前に調査したところ、50kW以上の電力供給を受けているのが1万5000棟(約140万世帯)あり、J:COM単体としてJ:COM電力の対象となりそうなのが7000棟(約70万世帯)以上あることが分かっていた。そのうち、1000棟程度と接触をもち、220棟(約1万6000世帯)の契約に至ったということである。

 契約のあとに、全戸同意までにかかる時間が延びているのが気になる点である。当初は平均で5カ月程度だったのに、最近では8カ月程度かかる物件もある。原因はいろいろある。どうしても「いやだ」という方が一定の数いる。最近は、後発の事業者も増え、比較されるケースも出てきた。2016年の電力自由化で、(高圧を低圧に変換する一括受電とは異なる仕組みなのだが)もっと安くなるという誤解もある。このため、進捗は当初想定よりは遅れがちである。

─J:COM電力について、以前からJ:COM側のメリットとしては全戸同意が必要ということが、全世帯にドアをオープンしてもらう手段になるという点が挙げられていた。実際にJ:COM電力を利用する棟における放送・通信サービスの加入率の動向は。

 1棟のマンションを仮に100戸と想定すると、一般的には、個別に訪問しても不在がちで会えないケースが多いのでせいぜい4%程度しか新規獲得できないが、J:COM電力の契約済み棟では全戸訪問できるので4~5倍の16~20%程度獲得できるということが、だいたい実績として証明されている。これは、ほぼ当初の想定どおりである。