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中国内陸部(中西部)の開発が活発化している。上海などの沿岸部から始まった中国の経済開発の取り組みが、内陸部にも進行してきた。その象徴的な地域が四川省である。三国志や麻婆豆腐、パンダなどで日本人にとってもなじみの深い四川省。その中で、西部経済発展地域として指定されているのが天府新区である。四川省投資促進局の載紹泉氏(副局長)と苟宗徳氏(四川省重大引進項目協調推進領導小組弁公室 重大項目推進処 処長)に、四川省の現在の発展状況と、企業誘致への取り組みを聞いた。(聞き手は、田中直樹=日経エレクトロニクス)

――四川省の経済発展状況を教えてください。

四川省投資促進局の載紹泉氏(左)と苟宗徳氏(右)
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載氏 昨年(2014年)、四川省の域内総生産(GRP)は中国で第8位でした。誘致した外国企業の投資額は106億米ドルに達しました。「フォーチュン」500社の名を連ねる企業のうち、約210社の海外企業が四川省に進出しています。

 電子情報産業についていえば、2014年は前年比12%増の成長をしました。四川省政府は、パソコンや液晶パネル、半導体などの電子情報産業を5大産業の1つに位置付けており、とても重視しています。2014年のパソコン製造台数は前年比20%増の1600万台を記録しました。四川省政府は、電子情報産業に力を入れて、大きく育てようという考えを持っています。

――重点分野であり成長分野でもある電子情報産業の中で、今年(2015年)、特に重視している分野は。

苟氏 第1は、情報セキュリティーの分野です。四川省が「情報安全生産基地」の建設に注力しています。中国企業の積極的な協力も得ています。この分野では、これから「情報安全発展基金」を設立して、資金や優遇策を提供できます。

 第2は、半導体産業のサプライチェーンを整えることです。スマートフォンのセキュリティーチップや、スマートテレビのメーンチップの産業を育てたいと考えています。スマートテレビについていえば、四川省には中国テレビメーカー大手の長虹(Changhong社)があるので、提携のチャンスもあります。

 第3は、スマート製品の開発です。四川省には、電子情報産業の代表的な企業として、テレビメーカーの長虹など優れた企業があります。この他の先端技術製品でも、中国メーカーは日本との関係構築を望んでいます。

 第4は、情報産業の育成です。スマートシティー、スマートホーム、デジタル、インターネットの分野で、発展していいたいと考えています。

 第5は、フラットパネル・ディスプレー(FPD)の生産基地を作りたいと考えています。四川省には、パネル、モジュール、および上流の部材、下流の機器のメーカーが集まっています。FPDの中心である液晶パネルについては、中国全土で21本の工場がありますが、そのうち7本が四川省にあります。既に第4.5世代ラインがあり、第6世代と第8.5世代の工場を建設しようとしています。第5世代の有機EL新工場の計画もあります。2018年、四川省は中国最大のパネル生産基地になるでしょう。FPD生産については、量から質への転換を考えています。日本企業には、サプライチェーンの上流および下流に位置する部材メーカーや機器メーカーの進出を期待しています。