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 今回は、操作用スイッチの中でも汎用性が高く、いろいろな用途で使われているトグルスイッチを紹介します(図1)。

図1●トグルスイッチ

トグルスイッチの定義

 トグルスイッチは、電子情報技術産業協会(JEITA)によって以下のように定義されています。

指先によって直線的な往復動作が可能なバット状のレバーをもって操作するスイッチ

 端的にいえば、棒状の操作部(レバー)を上下または左右の一方向に倒すことで、電気回路を切り替える構造のスイッチをいいます。トグル(Toggle)は上着のボタン代わりに使う留め木のことで、レバーの形がこの留め木に似ているところからトグルスイッチと呼ばれています。

特徴

<簡単、確実に操作できる>
 トグルスイッチは長く突き出た棒状のレバーを操作する構造なので、人の指で簡単かつ確実にオン/オフを切り替えられます。

<製品バリエーションが豊富>
 トグルスイッチは、汎用性が高くさまざまな用途に使用されます。そのため、外形や個々の仕様に関して非常に多くのバリエーションが用意されています。

種類

 トグルスイッチは、日本電気制御機器工業会(NECA)による分類において外形サイズで小形/超小形/極超小形の3種類に分けられています(図2)。小形/超小形はパネルを介して機器や設備に取り付けるタイプで、パネル面に設ける穴径はそれぞれ12/6mmです。一方、極超小形はプリント基板に直接はんだ付けします。

 外形サイズによる分類に加えて、接点の極数、レバー位置とオン/オフ状態のパターン、モーメンタリ動作(操作部から手を離すとレバーが自己復帰する動作)の有無などで製品バリエーションが設定されています。さらに、IEC60529に定められた保護構造の「IP64」を満たすことで異物の進入やフラックスの浸入を防ぐなど、スイッチが組み込まれる機器の製造工程まで考慮した工夫も見られます。

図2●トグルスイッチの外形サイズによる分類

構造

 図3は、極超小形タイプでIEC60529のIP64に適合した保護構造を持つトグルスイッチの例です。主に(1)レバー、(2)ばね、(3)Oリング、(4)プランジャ、(5)可動片、(6)ケース、(7)ベース、で構成されています。これらの部品について説明します。

図3●極超小型トグルスイッチの構造(IP64適合の保護構造)

(1)レバー
 指で操作方向に倒してオン/オフを切り替えます。通常は樹脂製ですが、大きなサイズの製品では強度を高めるために金属製にすることがあります。

(2)ばね
 レバーの内部に装填されます。後述の(4)プランジャをレバーの先端(本体奥側)方向に押し付けて、常に(7)ベースの底部に接触するようにしています。

(3)Oリング
 環状のゴム製部品です。(7)ベースと(6)ケースのかん合部、およびケースとレバーの可動部から異物が入るのを防ぎます。

(4)プランジャ
 レバーの下端に取り付けられる樹脂製の部品で、(7)ベースの底部に接触するようにしてレバーの動く範囲を制限します。

(5)可動片
 レバーに組み込まれるU字形状の接点部品です。レバーの動きに連動するU字の先端部が端子を挟み込んでオン状態にするスイッチ機構を形成します。これにより異物が接点間に入り込みにくいようにしています。

(6)ケース
 射出成形樹脂部品で内蔵する部品を保護します。上面の穴を通してレバーを支える働きをします。

(7)ベース
 ケースと共に内蔵部品を保護します。底面から端子が突き出た構造になっています。

主な使用例

 機械装置・機器において電源回路や制御回路の切り替え用途に使われます。

■産業機械分野
 工作機械、金属加工機、包装機、搬送機、ロボットなど
■業務用機器分野
 計測機器、医療機器、映像機器、放送機器など
■民生機器分野
 音響機器、電子楽器、理美容機器、通信機など