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見方を変えれば脳に刻まれる

 スローモーション映像は、肉眼では見ることができなかった場面を確認でき、新しいフォームの違いやコツが理解できる。ハイスピードカメラで撮影したと思われる鮮明な映像コンテンツも公開されている。

 ボールがラケットに当たっている1000分の1秒の瞬間に、ボールに付いた砂が飛び散っている様子やボールがつぶれる様子、ガットがたわんでからその反発でボールを弾き返している様子がありありと分かる。「ああ、実際にはこうやってボールは飛ぶんだ」と知ると、自分がボールを打ってる時に、なぜ軽い力でボールが遠くに飛ぶのかを知りながらプレーができる。力ずくで打つ必要はなく、ボールの軌道に合わせてラケットの芯に当てれば勢よく正確に打つことができるようになるのだ。

 トッププロが打つボール、相手コートを見る目線、足、腰、肩、肘、手首、さらには体が捻転しながら運動エネルギーの連鎖を利用して大きなパワーを生み出している様子など、現代テニスで重要視され始めた独特な体幹を機能的に使うトップアスリートのカラダの使い方を詳細に学ぶことができる。

 気になるところを静止画像にして観察するのも学習効果が高い。「ボールを打つ前には、こんな諸動作をしていたのか」とか、「ボールをヒットしてからのフォロースルーに至るまでにこんなに長い間、体を惰性に任せて回転させていたのか」など、達人の技に目を見張ることもしばしばだ。素人には見えなかったシーンが学習効果を飛躍的に上げる学習要因でもある。

 実践では、これらトッププロの詳細なテクニックを全て暗記しているわけではないが、自己練習しているときに頭の片隅でイメージができていて「何んとなくこんな感じで打つといい感じに打てる」と生理的にわかるようになる。教わってもいないうちに、なぜかできてしまうことが多々あるのだ。

 ビジネスの才能も、実はこのプロの仕草を見たイメージが脳のどこかに残っていて、現実ビジネスの最中に自然に出てくる能力なのではないかと思う。歯切れのいい会話とか、物事に関心を寄せる強い好奇心とか、一言の提案に込められたビジネスセンスなどが、それだ。だから大ヒットを飛ばした成功者たちの仕草を、映像でもいいから眺めることは自分の才能の肥やしになるだろう。