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 さて、ここで今の試算表の状態を見てみましょう。資産のボックスに現金500万円が入っており、左側の合計は500万円。負債のボックスに借入金200万円、純資産のボックスに資本金300万円が入っており、右側の合計は500万円。ちゃんと左右が一致していますね(図2)。

図2●左右の合計金額が一致するように負債200万円と資産(現金)200万円を記録する
図2●左右の合計金額が一致するように負債200万円と資産(現金)200万円を記録する

事業発展のために購入した軽トラックは「資産」になる

 では、集めたお金をこれからの事業発展に向けて使っていきましょう。ここでは、商品をお客様のもとに配達するのに使う軽トラック150万円を現金で購入し、販売用の商品50万円を現金で問屋から仕入れたとします。

 では、この取引で試算表のボックスがどのように変化するのかを見てみましょう。まず、軽トラックと商品で合わせて200万円の現金を使っているので、資産のボックスから現金200万円が出ていきます。複式簿記では左右の合計金額を一致させるために、取引を2ヵ所に記録しなければなりません。問題は、もう1ヵ所のボックスが何かということです。

 この場合、次のように考えます。軽トラックは、そもそも何のために買ったのでしょうか。そう、これは販売した商品をお客さまのもとに配達するために買ったのです。つまり軽トラックは、事業に使ってお金を得ることができる「権利」です。だから軽トラックは資産になります。資産のボックスの中で、現金が150万円出て、150万円の価値のある軽トラックが入ってきたのです。同じ資産のボックスの中ですが、これで左右が一致するように必ず2ヵ所に記録していくというルールに従っていますよね。

 では、商品50万円はどのように考えればよいのでしょうか。この商品50万円分は売るつもりで仕入れて、まだ売れていない状態(在庫)です。つまり、これは売ればお金に変えられる「権利」です。だからこの商品は在庫という資産になります※1。軽トラックと同じように、資産のボックスの中で、現金が50万円出て、50万円の価値のある商品在庫が入ってきたのです。この在庫のことを、会計用語では棚卸資産と言います。

※1 業種業態によっては、仕入れた商品を資産ではなく費用として記録することもあります。ここでは理解しやいように、すべて資産として記録しています。

 さて、ここで改めて試算表を眺めてみましょう。資産のボックスに現金300万円、軽トラック150万円、在庫50万円が入っており、左側の合計は500万円。負債のボックスに借入金200万円、純資産のボックスに資本金300万円が入っており、右側の合計は500万円。ちゃんと左右が一致していますね(図3)。

図3●軽トラックと商品の購入を記録した試算表。ここでも左側と右側の合計金額は一致している
図3●軽トラックと商品の購入を記録した試算表。ここでも左側と右側の合計金額は一致している

 ここまでの取引は、すべて試算表の上側に記録してきました。この部分は貸借対照表でしたね。