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 ここで、エンジニアには馴染みのない貸借対照表の存在意義を、かみ締めてみたいと思います。そもそも会社というのは、魅力ある事業をいきいきと行うために、お金を集めて事業発展に向けて投資を行い、投資によって獲得した有形無形の資産と人財を有効活用して、利益を創り出していく存在です。ここで、もしあなたが投資家だったら、日々の売上も気になるでしょうが、それ以上に自分が出資したお金が健全な事業発展のために使われているのかが気になるのではないでしょうか。

 先ほどの取引で言えば、事業で使う軽トラックの購入であれば納得できるでしょう。しかし、同じ150万円で中古の小型プレジャーボートでも買っていようものなら「それは事業発展の役に立つ資産なのか」と経営陣を追求したくなるでしょう。一生懸命探して売れると思った商品であっても、売れ残って年々在庫が増え続けていれば、これもお金の出し手としては、とても残念な気持ちになるでしょう。なぜなら、せっかく出したお金が、売れない在庫(=罪庫)に変わって倉庫で眠っているだけだからです。

 このように、我々の日々の生活とは大きく異なり、会社には外部からお金を集めて、事業発展のための資産を所有するという基本活動があります。投資家や金融機関にこの活動を説明するのが、貸借対照表の存在意義なのですね。

商品が売れると「売上原価」が発生する

 話を取引の記録に戻しましょう。仕入れた商品が狙い通り大好評で、50万円の商品在庫があっという間に売れたとします。いくらで売れたかというと、仕入れ価格の2倍の100万円です。しかも嬉しいことに全額現金払いでした。

 この取引で試算表のボックスはどのように変化するのでしょうか。この場合、商品が100万円で売れているので、まず収益のボックスに売上100万円が入ってきます。そして現金で売れたので、もう1ヵ所、資産のボックスに現金100万円が入ります。ここまでは、感覚的にも分かりやすい取引かと思います。