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 前回は財務分析のうち「収益性分析」を学びました。今回は「安全性分析」を取り上げます。

貸借対照表はワン・イヤー・ルールで区分けされている

 安全性分析は貸借対照表を使いますので、その構造をここで一度確認しておきます。本連載の第2回では貸借対照表を「資産・負債・純資産」という3つのボックスでとらえましたが、実際はもう少し細かく区分されています。その区分のルールが「ワン・イヤー・ルール(1年基準)」です。

 ここでおさえておきたいのが「流動」という聞き慣れない言葉です。貸借対照表の構造(図1)を見ると、資産の一番上には「流動資産」が、負債の一番上には「流動負債」というのがありますね。この「流動」は、英語では「Current」と表現されています。「Current」は「今の」とか「現在の」という意味がありますが、会計の世界では「1年以内に契約が終わる(権利・義務が清算される)もの」という意味で使われます。

図1●貸借対照表の構造
図1●貸借対照表の構造
※自己資本は純資産から新株予約権と少数持株分を引いたものになりますが、本連載ではシンプルに理解することを優先して「純資産=自己資本」として扱っています。

 つまり流動資産は、1年以内にお金を得る権利が使われて現金化しそうなものを指します。これまで学んできた「棚卸資産」や「売掛金」は、この流動資産に分類されます。一方の流動負債は、1年以内に果たすべき支払義務を指します。「買掛金」や1年以内に返済すべき「短期の借入金」は、この流動負債に分類されます。

 では「固定」はというと、権利・義務の清算が1年以上先のものということになります。この流動と固定の取り扱い区分の基本ルールが「ワン・イヤー・ルール」と呼ばれているのです。

 なお、固定資産の下に「繰延資産」という区分があります。これは少し分かりにくい概念なので、ここではとりあえず「流動資産・固定資産以外の資産」と理解しておいてください。