PR

事業ドメインの捉え方は2つある

 さて、ここで、とても重要なことをお伝えします。実は、事業ドメインには「物理的定義」と「機能的定義」の2つの捉(とら)え方があります。「物理的定義」とは、端的に言えば、事業を「モノ中心」で捉えます。一方、「機能的定義」は、事業を顧客満足の追求を目的とする「コト中心」で捉えます。例えば、先ほどの事業ドメインを「物理的定義」で捉えると、

メタボ対策ダイエット機器の開発・販売事業

となります。

 一方、「機能的定義」で捉えると、

ダイエット支援を中心としたライフサポート事業

という感じになるでしょうか。先ほどの事業ドメインの設定は、どちらかというと「機能的定義」に近いものみたいですね。

 「物理的定義」と「機能的定義」は、一概にどちらが良い、悪いと言える性質のものではありません。ただ、物理的定義だと、どうしても事業視野が狭くなりがちです。上記の場合、物理的定義で事業を展開すると、例えば斬新なサービス提供手法で参入してきた競合が現れたとしても、いつまででも性能追求の新機種開発に力を注いでしまいそうではありませんか。

 このように事業視野が狭くなり、事業環境の変化に対応できなくなってしまうことを「マーケティング・マイオピア(近視眼マーケティング)」と言います。マーケティング・マイオピアは、セオドア・レビット氏が1960年に自身の論文内で提唱した言葉です。マーケティング・マイオピアに陥ると、事業機会を逃してしまう恐ろしい状態を招きますので、マーケティングに関わるビジネスマンは意識して注意しておきたいポイントになります。実は、マーケティングセンスのある人は、「あれ?この考え方はマーケティング・マイオピアに陥っていないかな?」と意識して自分自身に問いかけているものなのですよ。