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STPで最も重要なポジショニング

 これら「S・T・P」で、最も重要なのがポジショニングです。ポジショニングでは、お客様の価値基準・選択基準で縦軸と横軸を引いたポジショニングマップが使われます。ここで重要なのは、このポジショニングマップ上で、自社の商品・サービスが「ぽっかりと1カ所に位置付けられている。あるいは、圧倒的な差(優位性)を持っている」ということです。しかも、それが「お客様の頭の中で描かれている」ということです。紙の上で一生懸命ポジショニングマップを描き続け、無理矢理に「ぽっかりと1カ所/圧倒的な差」を表現しても、実は全く意味がないのですね。ポイントは、「お客様の頭の中で描かれている」です。

 ここでよく考えていただきたいのですが、私たちが商品・サービスを購入する際には、何らかの価値基準・選択基準で商品・サービスを選別して、最後に残ったもの(選択したもの)を購入しているはずです。マーケティングが優れた会社は、「どんな人のどういう価値基準・選択基準であれば、自社の商品・サービスが選ばれるのか?」を徹底的に把握し尽くしているのです。そして、これこそがポジショニングの真髄なのです。

 ここでお伝えしたSTPマーケティングですが、一般的には上記の通り(名前の通り)、「セグメンテーション」⇒「ターゲッティング」⇒「ポジショニング」の順番で行うように説明されていますが、実はこの順番に従う必要は全くありません。特に新規事業などの「未知の要素」が多い事業の場合は、ポジショニングから入った方が現実感をつかみやすいことが多いのです。

 例えば、ユーザーインタビュー等を通じて、「30代のキャリアウーマンは、手軽に淹(い)れることができて本格的な味が楽しめるコーヒーであれば、価格は高くても毎日飲む」ということが分かり、試作品を使った簡易テストでも良い結果が得られたのであれば、既にポジショニングは出来上がっているわけです。このポジショニングをもとに、ターゲット像を膨らませて、そのターゲット数などを推計していけば、おおよその市場規模(ポテンシャル)を見積もることも可能なのです(図1)。この「ポジショニングから入る」の具体的な手法については、別の回でお伝えすることにしたいと思います。