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目次
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VW不正の波紋
2015年9月18日に発覚したドイツVolkswagen(VW)社による排ガス規制に対する不正回避問題(以下、VW不正問題)が、自動車業界を大きく揺さぶっている。不正対象車へのリコールが始まるだけでなく、実走行による排ガス試験「RDE」が2017年ごろの導入に向けて動き出した。ディーゼル車から電動車…
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Jeepハックの衝撃
世界総力戦へ
エンジンやブレーキ、ステアリングを遠隔で自在に操れる衝撃の事実が明らかになった。米FCA US社は、車両のリコールに追い込まれる。今後、他社も同じ状況に陥る可能性がある。クルマをハッキングできるという“成果”が、次々と発覚しているからだ。世界の自動車メーカーは、総力を挙げて対策に乗り出した。
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ホンダF1、続く挑戦
ホンダがエンジンサプライヤーとして2015年にF1に復帰した。しかし、二つのモーターを使った複雑なエネルギー回生システムが求められる、2014年からの新しいパワートレーンでは、苦戦が続く。最新のF1レギュレーションでは何がポイントなのか、ホンダF1の課題を探る。
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インドネシアをSUVで攻める
インドネシアでSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)が販売台数を伸ばしている。中型車両はMPV(多目的乗用車)市場を攻略して急成長。大型車両ではリアサスペンションの改良が進む。小型車両は将来、FF(前部エンジン・前輪駆動)車への転換が進みそうだ。
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2018年の車載カメラ、夜間歩行者に対応
カメラの進化によりクルマの安全性能が高まっている。EuroNCAP(欧州新車アセスメントプログラム)では、2018年から夜間歩行者や自転車に対する衝突回避性能の評価を始める。その他にも、多くの安全機能がカメラによって実現できる。今後、ますます重要性が高まる車載カメラの動向を追った。
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早く失敗したものが速く進化する
相川哲郎(三菱自動車 代表取締役 社長 兼 COO)
ガソリン車やハイブリッド車が大半を占める自動車市場で電気自動車やプラグインハイブリッド車に力を注ぐ三菱自動車。ライバルより先に難しい技術に挑戦し、突破口を開こうとする。大規模リコールなどで経営危機に瀕したが、業績は回復基調にある。「作り手目線」から「お客様目線」へと風土変革を急ぐ社長に、戦略とものづ…
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成長のためには、他業界との連携が鍵
IBMの「オートモーティブ2025」調査
自動車業界はデジタル技術の拡大に伴い、高かった業界の壁が低くなり、成長のためには他業界とのコラボレーションが鍵となるだろう――。米IBM社が今年発表した「オートモーティブ2025グローバルスタディー」の調査結果はこのように結論付ける。
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2030年軽量化のシナリオ
車両開発の大きなテーマとなっている軽量化技術。欧米が新しい材料を積極的に使っているのに対して、日本は高張力鋼板を軸に進めている。このままで2030年までの燃費規制や安全快適装備の質量増に対応できるのか?世界で競争力を高めるための、軽量化の方向性を見直す。
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3輪EV アジアで走り出す
アジアで走り出す2輪でも4輪でもない。3輪の電気自動車(EV)が疾走を始めた。フィリピンやインドネシアといった東南アジアや、インドやバングラデシュを中心とする南アジアには、数千万台規模の3輪車市場がある。巨大市場を狙って、日本のベンチャー企業が攻勢を掛けている真っ最中だ。現地のニーズや各社の動向を追…
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品質の意味が変わる
「壊れない」から「使いやすさ」へ
J.D. Powerが実施した「2015年米国自動車初期品質調査(IQS)」で、日系ブランドの初期品質の平均スコアが初めて業界平均を下回った。その背景にあるのは、品質に対する概念が大きく変わっていることである。「壊れない」のは当たり前で、オーディオやナビの「使いやすさ」によって品質が評価される時代に…
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トヨタの新型FCV「MIRAI」の中核技術
2014年12月、トヨタ自動車が満を持して発売した新型燃料電池車(FCV)「MIRAI」。その実現に向け最大の焦点となったのが、FCVのシステムの小型化と低コスト化だ。同社と部品サプライヤーはその課題をどう乗り越えたのか。システムの中核となる燃料電池(FC)スタック・高圧水素タンク関連の技術を明らか…
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ホンダ、 直噴ターボで 欧州勢に挑む
ホンダが直噴ターボエンジンの搭載を加速させている。「ステップワゴン」や「ジェイド」に続き、2015年夏に欧州で発売予定の「シビックTYPE R」などにも搭載する。今後も採用車種を増やし、中国や欧州などの海外市場で、先行する欧州メーカーに戦いを挑む。
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S660とコペンの工場、造り方も好対照
軽オープンスポーツカーのホンダ「S660」とダイハツ工業の「コペン」。両車は造りの面でも特徴がある。鋼製中心の前車に対し、後者は樹脂外板を多用した。既存の工場でいかに設備投資を少なくして造るかを追及したS660と、着せ替えを前提に生産設備を作り変えたコペンのものづくりに迫る。
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トヨタのエンジン、熱効率50%へ
トヨタ自動車がアトキンソンサイクルの高熱効率エンジンの開発を加速させている。2015年後半には最高熱効率が40%を超えるハイブリッド車(HEV)向けエンジンを導入。2025年ごろには可変圧縮比や燃料改質でさらに同効率を50%に高める。走りと環境性能の両方でクルマの価値を高めていく。
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S660 vs コペン
ガチスポか×コミュニティーか
燃費、スペース、デザインなどで差が付きにくくなった軽自動車。そのマンネリ感を打ち砕こうと、ホンダとダイハツ工業からオープンのスポーツカーが登場した。ホンダの「S660」、ダイハツの「コペン」が目指す姿に迫る。
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FCVの基幹部品、一堂に集結
「人とくるまのテクノロジー展2015」Review
自動車関連技術の祭典「人とくるまのテクノロジー展2015」が2015年5月20~22日に、パシフィコ横浜で開催された。過去最多の538社が出展し、3日間で8万6939人に上る来場者が訪れた。今回の展示会では燃料電池車(FCV)に関連する出展が注目を集めたほか、ADAS(先進運転支援システム)やクルマ…
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次はEV、世界5強入り目指す台湾
電子半導体産業が経済の根幹を成す台湾──。第二、第三の主要産業を育てるべく取り組みを進めている。その筆頭が自動車、特に電気自動車(EV)だ。目標は2030年までにEV輸出で世界5強入りを果たすこと。当局や企業が進める台湾自動車産業界の現状をレポートする。
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塗装レス樹脂で際立つ高級感を演出
塗装がいらない樹脂(塗装レス樹脂)が、クルマの内外装意匠部品という用途を開拓している。新素材の登場によって、塗装品を上回る高級感などを同等のコストで実現できるようになったからだ。今後、クルマの競争力を強化する有力な武器になる可能性がある。
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画像認識で競う車載半導体
FPGA、GPU、ASSPが台頭
先進運転支援システム(ADAS)の普及、その先に控える自動運転技術の実用化をにらみ、半導体メーカー各社の技術開発競争が激化してきた。これまで日本の完成車メーカーは主に、ADASの実現にASIC(特定用途向けIC)を使ってきた。しかしここに来て、高速演算が可能な汎用半導体のFPGA(Field-Pro…
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ロードスターの全貌
マツダが、「ロードスター」を10年ぶりに全面改良した。販売が好調な「CX-5」以降の第6世代商品群の総仕上げと言える車両だ。「原点回帰」を旗印に、26年前に発売した初代に近い990kgという超軽量化を実現した。