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目次
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東北に自動車産業は根付くか
「東北地方での部品の調達率を8割に高める」――。東日本大震災の直後にトヨタ自動車が発した宣言が東北地方の自動車産業を活気づけた。それから4年が経ち、理想と現実の狭間で東北の自動車部品メーカーが奮闘している。トヨタ自動車の考えと地場メーカーの歩みを振り返り、今後を展望する。
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カーエレ・EV、Foxconnはどこまで本気か
Terry Gou(郭台銘)。一代で世界の電機業界を代表する企業を作った男に率いられた台湾Hon Hai Precision Industry社(鴻海精密工業、通称:Foxconn)が、電装品(カーエレクトロニクス)・電気自動車(EV)市場を開拓し始めた。同社はこの市場でも大手企業を魅了し、劇的成長…
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ASEAN拠点 戦略再点検のとき
域内販売シェアが8割弱と日系自動車メーカーの独壇場となっているASEAN。だが、日系以外の自動車メーカーの参入が相次ぎ、競争が激化しつつある。しかも、2015年末にはASEAN経済共同体(AEC)が発足する見込み。ビジネス環境が大きく変わる可能性がある。ASEANでのさらなる競争力の強化に向け、戦略…
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2035年の、パワートレーン予測
2025年、2035年のクルマに使われるパワートレーンはどうなるのか。電動化はどの程度進むのか。こうした疑問に答えるため、コンサルティング会社のアーサー・D・リトル(ADL)は、世界販売台数の8割を占める主要13カ国のパワートレーン予測を実施した。合計値から浮かび上がったのは、2035年でもエンジン…
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見守るクルマ普及へ
クルマが運転者の異常を事前に判断して自動で事故を回避する。そんな機能が、近い将来実現するかも知れない。顔画像や生体データから運転者の状態を把握する技術の開発が進んでいるからだ。同技術は、交通事故防止から快適なクルマの実現まで幅広い可能性を持つ。運転者の状態を検知する技術の最新動向を追った。
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“愛車”を目指す提案相次ぐ
「2015 International CES」報告
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自動運転、電動化に 舵切る商用車
世界有数の商用車のモーターショーである「65th IAA Commercial Vehicles」が、ドイツ・ハノーバーで2014年9月25日から10月2日に開催された。注目を集めたのが、自動運転や電動化の技術と、そうした新技術を取り入れたトラックやバスの展示。安全で環境に配慮した商用車の開発で、自…
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トヨタFCV発進
10年後にはHEV並みに低コスト化
トヨタ自動車が発売した業界初の量産型燃料電池車「ミライ」の詳細が明らかになってきた。大幅な低コスト化を実現するために、既存部品の徹底した流用に加えて、部品の小型・軽量化、発電効率の向上への取り組みが各所にみられる。2025年にはハイブリッド車(HEV)並みに価格を引き下げるという目標に突き進む。
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テスラの先に抱く野望
Tesla Motors, CEO イーロン・マスク
経営危機を私財をなげうって乗り越え、EVや宇宙ロケットを軌道に乗せてきた。逆境こそが、イノベーションを実現する強い動機になると説く。
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ホンダ、最新インド工場の今
人と設備の最適バランスを追求
成長市場のインドで、乗用車シェアを急拡大するホンダ。2012年に2~3%台だった同国内での同社の乗用車シェアは、2013年には6%近くにまで上昇した。同国での販売台数は2013年に10万台/年に達し、2014年は2倍の20万台/年を目指す。その供給力を支えるのが、ラジャスタン州に建設した新工場だ。
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トヨタの最新安全技術
トヨタ自動車が2015年に先進安全技術を相次いで導入する。これまで上級車を中心に設定してきたが、2017年までに小型車を含めてすべての車種に広げる。課題だった低コスト化については、標準化を核にした新しいアーキテクチャー「TNGA」を導入し、他社を上回るコストパフォーマンスを実現する。
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クルマにもレーザーの時代到来
CEATEC2014
クルマの安全システムや電動化、運転支援システムはどう進化していくのか。2014年10月に開催した展示会「CEATEC JAPAN 2014」の会場では、注目のレーザー技術を含めて、最先端のクルマの取り組みが見えた。
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最新版EyeSightの実力は?
ぶつからないクルマ実車試験〈第2弾〉
本誌は2014年7月号に続き、新たに3種類の自動ブレーキについて、低中速域における車両と歩行者の認識・停止機能を評価した。前回トップの富士重工業「EyeSight」の最新版は、今回も最高評価の“AAA(トリプルエー)”を獲得。マツダとBMW社のシステムは“A”だった。
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強いブランド「Audi」の秘密
顧客価値を基に技術を活用
日本の完成車メーカーがプレミアムブランドを投入して20年以上が経過した。米国では成功を収めたものの、欧州ではトヨタ自動車の「Lexus」ですら、認知度は「1%以下」(同社)にとどまる。日本メーカーは何をすべきか。参考になるのが、短期間でプレミアムブランドを築いたドイツAudi社が取り入れた手法「商品…
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水素ステーション、普及への突破口
トヨタ自動車やホンダが2015年までに量産型の燃料電池車(FCV)を発売するのに合わせて、商用の水素ステーションの整備が急ピッチで進んでいる。ただ、現在までに完成したのは1カ所だけで「2015年度に100カ所」としてきた目標達成は厳しい状況だ。水素ステーション普及に向けて官民合わせて突破口を模索する…
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ITS普及にホンダとQualcommがタッグ
世界の自動車メーカーが長年研究しながらも、暗中模索していた通信利用のITS(高度道路交通システム)。その状況に、ホンダと米Qualcomm社という異色のタッグが光を注ぐ。“DSRCスマホ”をITSの通信端末に使う2社の取り組みが成功すれば、普及の道筋がいよいよ見えてくる。
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モジュール化、統合化で進む、次世代プラットフォーム戦略
自動車メーカーの次世代プラットフォーム戦略が加速している。トヨタ自動車やRenault・日産グループ、Volkswagen(VW)グループなどグローバルで戦うメーカーは、開発工数を増やさずに世界各国のユーザーニーズに合った車種を作ることが求められている。その鍵になるのが、少ないプラットフォームで多く…
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新冷却機構で小さく、軽く
カルソニックカンセイがEGR(排ガス再循環)クーラーに採用した「VG(ボルテックスジェネレーター)フィン」、ベンチャー企業のMiKuTAYが開発した「MiKuTAY式熱交換器」。冷却フィンに新しい考え方が次々と生まれてきた。小さい装置、少ない圧力損失で多くの熱を運ぶことができる。熱のやりとりがネック…
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V2Hでクルマの価値高める
V2Bの電力変換装置(PCS)は椿本チエイン製である。システム1台にリーフ1台を割り当てており、1台当たり5.5kWの出力がある。先進技術開発センターの施設など、500kW以上の大口契約の場合、1kW当たりの契約料金が約1700円/月である。ピーク電力を5kW下げるだけで、年間の電気料金を10万円下…
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インジェクターを2本にして燃費を改善
小型エンジンの主流になるか
日産の「デュアルインジェクター」、ホンダの「ツインインジェクション」、スズキの「デュアルジェット」…。会社によって呼び方は違うが、インジェクターを気筒あたり2本使うガソリンエンジンが急速に増えた。