1944年、長野県生まれ。1968年、黒田精工に入社。金型加工用工作機械、金型技術の開発などを手掛ける。同社取締役を経て2005年4月にファインクロダ代表取締役社長に就任。2008年より現職。アジア金型工業会名誉会長、日本金型工業会学術顧問、日本工作機械工業会技術フェローも務める。
海外進出を成功に導く新興国 現場レポート
目次
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グローバル経済が変えるものづくり
本コラムを書き始めて約1年半が経過した。これまで、インドネシア、ベトナム、ブラジル、フィリピン、マレーシア、シンガポールと各国のものづくり現場をレポートしてきた。最終回となる今回は、これまで取り上げてきた各国の現場を踏まえて、グローバル経済におけるものづくりの今後について考えてみたい。日経ものづくり
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ものづくりのメッカだった国がたどった道
今回は、かつて香港と並んでアジアのものづくりのメッカだったシンガポールの現状についてレポートする。日経ものづくり
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生き残るための3つの道
前回(2014年12月号)報告した通り、マレーシアには自動車メーカーに代表される大きなセットメーカーはない。そのような環境下では、ものづくり企業の形態も千差万別となりやすい。言い換えれば、ものづくり産業として代表的な業種がない国では、各企業それぞれが、生き残るための形態を模索しなくてはいけない、とも…日経ものづくり
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3つの金型集積地が異なる特徴
今回から、本連載の6カ国目として、マレーシアのものづくり現場についてレポートしていく。日経ものづくり
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定着した人材が競争力に
フィリピンには既に多くの日系企業が進出している。その業種は幅広く、電気・電子メーカーをはじめ、大手医療機器メーカーや化学メーカー、最先端ITソフト企業も活動している。本格的な自動車生産が無いにもかかわらず、日系自動車関連企業の進出も少なくない。日経ものづくり
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英語ができる人材に大きな魅力
今回、このコラムを書くに当たって筆者は数年ぶりにフィリピンを訪問し、長年の付き合いで気心が知れた現地のキーマンから、今のフィリピンのものづくりで何が起きているかを聞いてみた。日経ものづくり
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主要な3つの工業集積地
前回(2014年7月号)紹介したように、ブラジルにおける自動車の生産台数は世界第7位、販売台数は世界第4位であるにもかかわらず、ブラジル独自ブランドの自動車メーカーはない。この点をブラジルの自動車関係者に聞くと異口同音に「ブラジルには既に独自の自動車メーカーは存在する。その1つがBrazil Vol…日経ものづくり
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W杯と五輪開催で世界が注目、近い将来に自動車生産でトップ3に
今、サッカーのワールドカップ(W杯)で盛り上がっている国、ブラジル。実は、筆者は現在ブラジル金型工業会の名誉理事の職にある。これを話すと、多くの人から「どうしてブラジルの金型工業会に?」「そもそも、金型を必要とする産業がブラジルにはあるのですか」などと聞かれる。そこで就任に至った詳細な経緯を説明する…日経ものづくり
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いまだ磨かれていないダイヤの原石、基盤産業の人材育成が始まる
前回(2014年5月号)、ベトナムの若者は必死に勉強することを紹介した。彼らが勉強(知識と資格を習得)する主な目的は、より良い待遇の企業に転職することだ。具体的には、「エアコンが効いている近代的な都会のオフィスで、パソコンなどの最新鋭機器を使って働く管理業務」、つまりホワイトカラーの職種を目指すので…日経ものづくり
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現在よりも近い将来の発展に期待、カギは自動車部品の分散生産
前回(2014年4月号)、インドネシアのものづくり現場の状況を「急激な成長期における異常な活況状態」と表現した。これに対してベトナムのものづくり現場の状況を表現すると「周辺地域の成長スピードに追いつかない混沌の時代」となるだろう。日経ものづくり
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日本とインドネシアの合弁は最強タッグ エンジニアリングと製造で役割分担
インドネシアのものづくり現場の現状を一言で表すと「急激な成長期における異常な活況状態」となる。日本では今、何を造ったら売れるか、どんな技術開発をしたらよいかに苦心しているというのが、現場の感覚だろう。しかし、インドネシアでは今、何を造っても売れる、特に新技術開発をしなくても売れると言っても過言ではな…日経ものづくり
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居心地の良さで日本人を惹きつける 最もものづくりに適した国
前回(2014年2月号)までは新興国に共通する課題や対策について解説してきた。今回からは、新興国各国の現場について、ものづくりの環境という視点でレポートしていく。まずはインドネシアについて2回に渡って紹介する。今回は、インドネシアという国の雰囲気を伝えたい。日経ものづくり
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文化や環境への合致が成功に向けたカギ
海外進出の成否は、進出する前に決まるといっても過言ではない。大切なことは、「進出しようとする国、すなわち相手国の事情を事前に把握しておくこと」だ。これは、前回(2014年1月号)述べた「日本企業は品質とコストに第3の軸を加えるべき」という考えの他にも、筆者が現地で見てきた経験から確実に言えることの1…日経ものづくり
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このままだと衰退の一途 品質とコストに第3の軸を加えよ
経済のグローバル化が加速している。このグローバル経済下で日本のものづくりが生き残り、そして発展するためには何が必要で、どの方向に進むべきだろうか。国内市場での売り上げ(生産量)を伸ばすことが難しい今、多くの日本企業にとって海外へ進出することは最優先課題だろう。だが、海外進出は単に海外に製造部門を移転…日経ものづくり