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FPGAが性能でついにGPU超え、2万段超のパイプラインで実現
外部メモリーとのデータのやり取りを大幅に削減
東北大学と会津大学で構成する研究チームは、アクセラレーターとしてFPGA1個を利用した津波シミュレーション計算システムを開発し、グラフィックス処理プロセッサー(GPU)1個を利用した場合の2倍近い処理性能を実現した注1)。2016年4月に開催された省電力半導体の国際学会「COOL Chips XIX…
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日本電産が半導体内製に意欲、モーターの付加価値向上を加速
2015年度決算説明会から
「強い『電装品メーカー』になるには半導体が不可欠。今は外部から調達しているが、いずれ半導体を内製化したい」─。
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産総研などが印刷で0.8μm幅の配線、低温、大面積、高速で製造可能
田中貴金属が2017年1月にタッチパネルをサンプル
印刷由来の技術で電子デバイスを作成する技術が大きく向上した。産業技術総合研究所、東京大学、山形大学、および田中貴金属工業が2016年4月に、新原理に基づく配線の印刷技術「SuPR-NaP(スーパーナップ)法」を開発した。配線幅などの微細化と大面積化、さらに高速な製造を同時に実現できるという。
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IoT向け低電力ReRAMが登場、45nm、300mmで2017年出荷
元パナソニックの魚津工場に製造委託
米Adesto Technologies社は、抵抗変化型メモリー(ReRAM)の一種の技術「CBRAM(Conductive Bridge RAM)」に基づくIoT(Internet of Things)向けの個別(単体)メモリー製品の量産化を、元パナソニック、現在はイスラエルTowerJazz P…
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「あらゆる分野に深層学習」、新GPUと専用スパコンで攻勢
NVIDIAの開発者会議「GTC 2016」
「ディープニューラルネットワークの学習を高速化するにはGPUを使うしかないだろう。推論の実行時にはFPGAや専用チップを使う可能性があるが、いずれも学習に使うには現状ではフレキシビリティが足りない」(東京工業大学 学術国際情報センター 教授の松岡聡氏)。
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エッジ機器でも機械学習、オープンソースで実装容易に
Preferred Networksがソフト基盤を公開
人工知能技術を手掛けるベンチャー企業のPreferred Networks(PFN)は、センサーが出力する時系列データを、機械学習などに利用しやすくするソフトウエアツール「SensorBee」を開発、2016年3月にオープンソースとして公開した1)。同社は出資元のトヨタ自動車やファナックと、ディープ…
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「買収ではなく出資」と郭台銘氏、鴻海傘下でシャープは輝けるか
シャープ従業員の雇用は「原則維持」
約2カ月間にわたってゴタゴタが続いた、シャープの経営再建問題に決着が付いた。2016年4月2日、台湾・鴻海精密工業(通称Foxconn)によるシャープへの総額3888億円の出資を軸とする戦略的提携の調印式と共同会見が開かれた(図1)注1)。鴻海のシャープへの出資比率は66%に達し、シャープの経営権を…
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モーターで超解像化、サーモグラフィを安く
パナソニックが温冷感センシングシステムの提供開始
パナソニックは、8×8画素から7000画素相当の分解能を得られる赤外線アレーモジュールセンサーを開発、温冷感を独自アルゴリズムで定量化できるセンシングシステムとして2016年4月に提供を始めた(図1)。用途として、ルームエアコンなどの家電製品、カーエアコンなどの車載機器、産業機器などを想定する。
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無線LAN送信電力を1/1万に、802.11b互換で2016年製品化
Qualcomm社が開発資金
米University of Washington ProfessorのJoshua R.Smith氏の研究室は、無線LAN端末の送信時の消費電力を従来の1万分の1に低減する技術「Passive Wi-Fi」を開発した。既存のIEEE802.11b準拠の無線LANと互換性を保ちながら、11Mビット/…
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映像の中を人が通り抜ける、パッケージの絵が動き出す
パネルに映さないディスプレー、三菱とNTTが相次ぎ開発
パネルを使わず絵を表示する新型“ディスプレー”の提案が、三菱電機とNTTから相次いで登場した。
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全固体リチウム電池、乾燥粉の加圧成型で安く
日立造船が新製法で自動車・定置型を狙う
日立造船は、“ポストLi(リチウム)イオン2次電池”の有力候補である全固体電池を低コストに製造する技術を開発、開発品を公開した(図1)。電気自動車・ハイブリッド車、家庭・企業・公共施設でのピークシフトやバックアップ用途(定置向け)、太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネ…
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高速ビジョンで産学連携、作り手と使い手が知恵を出す
ソニー、日産、東大などが産業横断組織を始動
記者発表会の様子。左から新エネルギー・産業技術総合開発機構 山崎知巳氏、東京大学情報理工学系研究科 教授 石川正俊氏、ソニー デバイスソリューション技術本部 商品開発部門 センシング2部 要素技術・知財戦略マネージャー 吉村真一氏、日産自動車 総合研究所 モビリティ・サービス研究所 所長 三田村健氏…
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IBMが「電子血液」でICに給電、10Lの1PFLOPSスパコン実現へ
放熱性能向上と省電力化を生物に学ぶ
米IBM社は2016年2月、「Electronic Blood(電子血液)」を開発中であることをブログなどで明らかにした。生物の脳を巡る血管と血液が、脳への栄養補給と排泄、そして冷却システムを兼ねていることを模して、3次元半導体への給電と冷却を、共に液体で実現することを狙う。2016年3月のドイツで…
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大詰めの電機再建、シャープは鴻海傘下へ
超高額買収の狙いは「液晶第3極」の形成か
国内大手電機2社の経営再建に向けた動きが急だ。2016年2月4日、シャープは「産業革新機構と鴻海精密工業の2社に絞って協議を進めており、今後1カ月をめどに最終的な契約を締結できるよう協議する」と公表。台湾・鴻海精密工業(通称Foxconn)はシャープから優先交渉権を得たと主張しており、同社によるシャ…
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グラフェン超える2D材料群、“ポストSi”に名乗り
超高速論理回路や大面積受発光素子が実現可能に
原子1~3層の厚みしかない事実上の“2次元(2D)材料”を組み合わせることで、桁違いの性能を持つデバイスが続々と登場する可能性が出てきた。例えば、フレキシブルで羽衣のように薄い超高性能マイクロプロセッサーやセンサー、大面積で超高効率のLEDや太陽電池などである。
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プロセッサーの入出力が光に、電子回路のプロセスだけで作製
プロセッサーのメモリー帯域問題を解消か
米University of California, Berkeley校(UC Berkeley)、米University of Colorado、米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の研究者は、データを光信号で入出力するマイクロプロセッサーを試作し…
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産業用ロボに高速カメラ、粗い動作教示でも高精度に
産業用ロボットへの動作の教示作業(ティーチング)の負担を大幅に軽減する技術を東京大学 情報理工学系研究科 教授の石川正俊氏の研究グループが開発した(図1)。精度が数~数十cmの粗いティーチングで、0.05mmの精度の作業をロボットに実行させることができる。
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8Kテレビが大手からずらり、焦点は機器間インターフェース
「第3の技術」をパナソニックが開発
4Kテレビが当たり前になる中で、2016年1月に開催された「2016 International CES」では、「8K」時代を見据えた展示が相次いだ。中でも来場者の目を引いていたのが、8K対応のテレビの試作品である。少なくとも7社から展示があった。
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10m先から20個に1Wの無線給電、ベンチャーとKDDIが試作
電波方式を採用
KDDIは、米国のベンチャーOssia(オシア)社と共同で、室内に点在する複数の機器に対して同時に電力を供給できるワイヤレス給電技術「Cota(コータ)」を開発した。理論的に、「送電装置から10mほど離れた複数の端末に、それぞれ最大1Wを供給できる」(Ossia社の説明員)という。受電端末が動いても…
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勢いづく中村修二氏のLEDベンチャー、レーザーでも新会社
「SoraaLaser」がベールを脱ぐ
青色LEDの発明で2014年にノーベル物理学賞を受賞した、米University of California, Santa Barbara(UCSB) 教授の中村修二氏(図1)。同氏が共同設立者(co-founder)として名を連ねるベンチャーもまた、勢いに乗っている。LEDを手掛ける米Soraa社…