米ボーイング社の新型機「Boeing787」のジェットエンジンの中核部品に、物質・材料研究機構がライセンス供与したニッケル(Ni)基超合金が採用された。燃焼ガス温度を高め、ジェットエンジンの効率を向上させることができる。が、それだけではない。実は、この技術にはもっと大きな可能性が秘められている。同超合金の開発で「第13回 山崎貞一賞」を受賞した原田広史氏が、その可能性を語る。

今回の山崎貞一賞*1は、私と、同じ物質・材料研究機構(NIMS)の川岸京子さん、横川忠晴さんの3人が代表でいただきましたが、本当はもっと大勢の人が関わってきました。
*1 山崎貞一賞 材料科学技術振興財団初代理事長で、東京電気化学工業(現TDK)の2代目社長としてフェライト事業を立ち上げた、故山崎貞一氏の功績を称えると共に、日本の科学技術の普及啓発と科学技術水準の向上に寄与することを目的に創設された賞。「材料」「半導体及び半導体装置」「計測評価」「バイオサイエンス・バイオテクノロジー」の4分野を対象に、実用化につながる創造的な業績を上げた人に贈られる。