6つの新機種を一気に投入
今回、最も多くの新製品を発表したのが米3D Systems社だ。その数、実に12種類(新機種6、新材料6)。新機種としては、「ProX」という名称を持つ3製品が加わった。これは特定の造形方法を示すものではなく、主に製造装置として使われる上位機種に共通して使われる。
具体的には、光硬化性樹脂の液面をレーザで走査する光造形システム(従来機種は「iPro」シリーズ)について、造形寸法の幅が1. 5mと大きな「ProX 950」を、粉末材料をレーザで焼結していくタイプの装置(従来機種は「sPro」シリーズ)では、小型機種ながらレーザ出力を100Wに高めて造形速度を速めた「ProX 500」を発表している。さらに、金属材料を使える3 Dプリンタとして、同社が2013年に買収したフランスPhenix Systems社の製品を「ProX 300」などとして再ブランド化した。
残り3製品は、「ProJet」シリーズである。その1つが、フルカラーの樹脂部品を造形できる「ProJet 4500」だ(図1)。同社はこれまで、フルカラー機として、インクジェット・ノズルからバインダを吐出することで、石膏ベースの粉末材料を固める「ProJetx60」シリーズを展開してきた1)。
これに対して、今回発表したProJet 4500は、同じく粉末材料をバインダで硬化させる方式を採用するものの、粉末材料を樹脂とすることで「フルカラーの樹脂製立体モデル」を造形可能とした。バインダはCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の3色だが、フルカラーの樹脂モデルを造形できる初めての3Dプリンタとなる*3。
*3 x60シリーズの最上位機種ではCMYK4色のバインダにより、600万色を表現できる。
この他、複数の物性の材料が混在した立体モデルを造形できる「ProJet 5500X」、小型で低価格な「ProJet 1200」などを発表した。