
ライオンが2012年7月に発売した洗濯用液体洗剤「トップHYGIA」は、「洗うたび、衣類が菌に強くなる」というキャッチフレーズで大きく売り上げを伸ばした製品だ(図1)。同社の濃縮液体洗剤の売上高が対前年比で5割増しになる原動力となった*1。
*1 2012年12月5日付の日経MJより。
衣類から汚れを落とすという洗剤本来の直接的な目的に、衣類の菌が増殖しにくくなるという予防的な機能を追加した。この新しい価値は、衣類をきれいに保ちたい、というユーザーの衣類に対する本質的なニーズを捉えたものだった。ただし、そこに至るのは容易ではなかった。