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Cuメッシュ方式が進展

 この内、より低抵抗で70~80型クラスの大画面にも対応できるのが、メタル・メッシュ方式である。タッチパネル研究所、パナソニック、大日本印刷に続き、2013年11月には凸版印刷がCu配線を用いたメタル・メッシュ(Cuメッシュ)方式のタッチ・パネルの量産化について発表した。同年10月中旬に、同社は液晶一体型パソコン向けに21.5型品の市場投入を開始している。シート抵抗値は0.1~6Ω/□と低く、70型の大画面にも対応する。Cu配線が見えてしまうというタッチ・パネル付加による問題にも、Cu配線の幅を3μmに細くしたり、Cu配線表面に「黒化処理」を施したりすることによって対処している。

 今後、Cuメッシュ方式を採用するタッチ・パネル・メーカーは、モアレやムラといった見映えを悪化させる問題への対策、さらに薄型化や低コスト化を進めるために、製造方法を進化させる。具体的には、現在の2枚フィルム構成から、今後は1枚フィルム構成に変える。2枚フィルム構成では、上部電極用と下部電極用の2枚のCu配線パターン付きフィルムを貼り合わせるが、貼り合わせ時の位置ズレによってモアレやムラが発生してしまっていた。

 一方、1枚フィルム構成では、1枚のフィルムの両面にCu薄膜を形成し、両面を一括露光して上部電極用と下部電極用の配線パターンを同時に形成する。貼り合わせ工程がないので、貼り合わせ時の位置ズレによるモアレやムラをなくせるのが特徴だ。また、フィルム枚数も削減できるので、タッチ・パネルの薄型化につながる。さらに、露光工程が1回で済むことから、製造コストも下がるという(図7)。

図7 Cuメッシュ方式の性能が進化
図7 Cuメッシュ方式の性能が進化
Cuメッシュ方式の透明導電性フィルムの薄型化、低コスト化、視認性向上が進んでいる。(図:凸版印刷)
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 この1枚フィルム構成の量産化に向けて、Cuメッシュ方式を採用するタッチ・パネル・メーカーは動き出した。例えば凸版印刷は、2013年10月に両面一括露光装置を導入した。さらに、台湾JTouch社が2013年11月、1枚フィルム構成のCuメッシュ方式タッチ・パネルの量産開始を発表した。同社は、画面寸法に合わせて切り出すところまで、一貫工程で製造する(図8)。台湾の月産5万m2規模のラインで量産を始め、さらに2015年までに台湾に月産25万m2、2016年までに中国本土に月産20万m2以上の量産ラインをそれぞれ構築する計画である。

図8 フィルム・センサに接着シートを自動貼り付けする装置
図8 フィルム・センサに接着シートを自動貼り付けする装置
ロール状のフィルム・センサに接着シート(OCA)を貼り付け、スマートフォンやタブレット端末に対応する寸法に打ち抜いて個片化する自動装置をFUKが開発した。JTouch社が導入している。(写真:FUK)
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