日本メーカーの海外生産戦略に今、大きな変化が訪れている。ブラジル、メキシコ、ベトナム、インドネシア、タイの5カ国「BMVIT」を新たな生産拠点に選び、新工場を造ったり、生産増強を図ったりする日本メーカーが相次いでいるのだ。これらの5カ国は生産拠点としての魅力だけでなく、急成長を続ける新興国としての魅力も併せ持つ。これまでの米国市場や中国市場に続く、新たなグローバル生産時代の幕開けだ。

日本メーカーの海外生産戦略に今、大きな変化が訪れている。ブラジル、メキシコ、ベトナム、インドネシア、タイの5カ国「BMVIT」を新たな生産拠点に選び、新工場を造ったり、生産増強を図ったりする日本メーカーが相次いでいるのだ。これらの5カ国は生産拠点としての魅力だけでなく、急成長を続ける新興国としての魅力も併せ持つ。これまでの米国市場や中国市場に続く、新たなグローバル生産時代の幕開けだ。
「成長のエンジン」を、マツダが始動させた。2014年1月9日、同社はメキシコに設けた自動車の完成車新工場(メキシコグアナファト州サマランカ市)を稼働させ、セダン「Mazda3」(日本名「マツダアクセラ」)の量産を開始したのだ(図1)*1。日経ものづくり
全量を現地向けに生産 高級機が売れる市場性に懸ける
「先進国市場は徐々に飽和しつつある。今後は新興国市場が伸びると考えられ、その中でも1国だけで2万~2万5000台の市場を見込めるブラジルは極めて重要な市場」(豊田自動織機常務執行役員製造部部長・高浜工場長の福永恵一氏)。フォークリフト・メーカーとして世界最大手である豊田自動織機は2013年10月、ブ…日経ものづくり
深絞り加工を武器に進出 競合少ない環境を狙う
プレス加工を中心に、切削、溶接、組み立てなどの機械加工系技術を持ち、主に金属製の自動車部品を手掛けているのが樋口製作所(本社岐阜県各務原市)だ。同社が今、立ち上げに奔走するのがメキシコ新工場「Higuchi Manufacturing Mexico」である。年間売り上げが70億円弱の規模の同社が、約…日経ものづくり
中国一辺倒の体制を見直す 安価なサプライヤーが魅力
富士ゼロックスは2013年11月、ベトナム北部のハイフォン市VSIPハイフォン工業団地に設立した生産拠点、富士ゼロックスハイフォン(FujiXerox Hai Phong社)の操業を開始した(図1)。当初は小型LEDプリンターの生産を始め、近い将来に複合機の中位機種も生産する。日経ものづくり
農業の機械化を追い風に生産倍増 現地志向の設計で高価格でも人気
農業機械向け横型ディーゼルエンジンの新工場をインドネシアに設立し、2014年7月の稼働を目指すのがクボタだ。同エンジンの製造・販売を手掛けるKubota Indonesia社が、同国中部ジャワ州スマラン市に所有する現行の工場を閉鎖し、約23km離れた同市のブキットスマランバル工業団地に新工場を建設す…日経ものづくり
健康志向を捉えて新市場を開拓 形崩れを防ぐノウハウを徹底共有
「想定の10倍の注文が舞い込み、生産が追いつかない。生産ラインをフル稼働させ、当初計画の2~3倍の量を生産している」(明治海外ユニット海外事業本部海外乳製品事業部事業推進G長の宮川達之助氏)。タイ市場で今、飛ぶように売れているのが、明治が2013年8月から販売を開始したプレーンヨーグルト「明治ブルガ…日経ものづくり