コスト、開発期間…。クルマの開発には多くの制約があり、理想を貫くことは極めて難しい。そうしたなか、マツダの新型「アクセラ」の開発者は理想の旗を掲げ続けた。

写真:細谷陽二郎
マツダは2013年11月に、3代目となる新型「アクセラ」を発売した。アクセラは、マツダの世界生産の約3割を占める重要な車種である。しかも、今回のアクセラは、マツダの次世代技術である「SKYACTIV」を全面的に採用し、エンジン、変速機、シャシー、車体など、すべてを一新する全面改良でもあった。その重要な局面で、開発責任者を任されたのが同社プログラム開発推進本部主査の猿渡健一郎だ。