発明されてから長い歴史にわたって改良が続けられてきた内燃機関。その技術は成熟するどころか、ここに来て進化が加速している。100年以上かかって40%近くに達したガソリンエンジンの最高熱効率は、向こう10年で50%近くに達する勢いだ。非常に薄い混合気を高い圧縮比で燃やすHCCI(予混合圧縮着火)エンジンや、過給ダウンサイジング、排熱回収などの開発が進むほか、その先には効率60%を狙う新構造・新原理のエンジンが登場する可能性がある。燃焼の改善と、損失の低減が進む最新エンジンの動向を詳解する。

発明されてから長い歴史にわたって改良が続けられてきた内燃機関。その技術は成熟するどころか、ここに来て進化が加速している。100年以上かかって40%近くに達したガソリンエンジンの最高熱効率は、向こう10年で50%近くに達する勢いだ。非常に薄い混合気を高い圧縮比で燃やすHCCI(予混合圧縮着火)エンジンや、過給ダウンサイジング、排熱回収などの開発が進むほか、その先には効率60%を狙う新構造・新原理のエンジンが登場する可能性がある。燃焼の改善と、損失の低減が進む最新エンジンの動向を詳解する。
エンジンが燃費向上の主役に HCCIの実用化で2020年に45%目指す
これまで電動化などエンジン以外の部分での燃費向上に力を入れていた国内の完成車メーカーが、エンジン本体の改良に本腰を入れ始めた。ハイブリッド車(HEV)同士の燃費競争が厳しくなっていることに加え、エンジン車の燃費向上が、海外市場では至上命題になっているからだ。欧州のCO2排出量規制をにらみ、エンジンの…日経Automotive
ガソリンエンジンが40%に迫る ディーゼルでもダウンサイジング進む
現在、ガソリンエンジンで最高水準の熱効率を実現しているエンジンは、摩擦損失の低減を徹底し、アトキンソンサイクルと高圧縮比を組み合わせる。こうした従来の延長線上で効率向上を図るメーカーがある一方で、排気量の縮小と過給技術を組み合わせる、いわゆる「過給ダウンサイジング」はこれまで国内メーカーでは例が少な…日経Automotive
冷却損失・排気損失の低減に切り込む 新構造・新原理への挑戦始まる
現在の構造のエンジンでは、希薄燃焼化や断熱化によって、まだ効率向上の余地がある。排気損失を減らすため、排熱を回収する技術の研究も進められている。しかし、こうした従来の延長線上の開発では、50%程度で効率向上の限界が来そうだ。このため、60%という常識外れの効率を目指す新たなエンジンの検討も進む。これ…日経Automotive