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 今回は、これまでに解説した現場力の構成要素である「5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)」「安全」「品質」の3つをベースに、製造現場で決められたことをその通りに実行するための「標準作業」と、あるべき姿と現在の姿のギャップを自ら埋めていく「自主改善力」について解説する。

標準作業をないがしろに

 作業者によって作業のやり方が異なっていたために製品にバラつきができるなど、標準作業が決められていない、あるいは守られていないが故に大きな品質問題を引き起こした事例は枚挙にいとまがない。

 そうした問題の発生を防ぐためには標準作業が重要だと説明すると、多くの製造現場では「我が社の工程はそんなに単純にはいかない」「重要なのは分かるが、製造現場は教科書通りにはいかない」といった言葉が返ってくる。こうした言葉の言外には、自社を特別視して作業の標準化そのものが困難だと決め付け、標準化そのものの意味を軽視する姿勢がある。確かに、難易度が高くて熟練者の勘やコツ、経験といったものに依存した作業を標準化するのは難しい。しかし、だからと言ってそれが標準作業をないがしろにしていい理由にはならない。