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 日本の製造業に強さを取り戻そうと、企業が技術伝承を中心とした人材力の再強化に力を注ぎ始めた。国内はもちろん海外も含めて人材を強化し、競争力を高めようとしている。目的は、今後長きにわたって世界で戦えるようにする体制の構築である。

 人材力の再強化に挑む企業の背景にあるのは、かつてないほどの危機感だ。具体的には、海外勢のキャッチアップによるコモディティー化の恐怖である(図1)。例えば、富士ゼロックス代表取締役社長の山本忠人氏が言うように、「既にコモディティー化したパソコンやテレビの例を見る限り、我々が手掛ける精密機器でも海外勢のキャッチアップが急速に進んでいる」(同社)。

図1●求められる人材力の強化
グローバル市場で海外メーカーが実力を付けるに伴い、多くの製品がコモディティー化していく。日本メーカーが生き残るためには、高付加価値の製品を短期間で、しかも矢継ぎ早に開発していかなくてはならない。そのためにこそ人材力が求められる。
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 こうした状況では、誰にもマネできない高付加価値の製品を、従来より短期間で開発しなければ、生き残りが難しい状況になりかねない。こうしたイノベーティブな製品を生み出すためには、一にも二にも設計・開発者の発想力や革新技術を開発する能力を高めていくしかない。

 生産部門でも海外勢の追い上げは激しい。現場の高度な技能に裏打ちされた高品質を強みとしてきた日本メーカーだが、新興国メーカーが着実に力を付けてきている。競争優位を維持し、顧客の厳しい要求に柔軟に応えるには、ますます高度な技能や生産技術の力が欠かせない。