
メカニズム基礎解説
目次
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低負荷時は燃やさない、小型車にも採用広がる
第23回:エンジンの気筒休止機構
一時は忘れかけられたエンジンの気筒休止機構が、再び注目を集め始めている。大排気量のエンジンを中心に搭載されてきた同技術が、1.0Lクラスの小型エンジンでも必要になってきたからだ。気筒を休止させる方法は3種類に分類できる。日経Automotive
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ステアリング操舵力を支援、モーターの配置で3方式
第22回:電動パワーステアリング(EPS)
パワーステアリングは、運転者のステアリングホイールの操舵力を支援するシステム。従来の油圧式に代わり、最近増えているのがモーターを使う電動式である。モーターを配置する位置によって主に、コラム式、ピニオン式(デュアルピニオン式含む)、ラック式の3種類がある(表)。日経Automotive
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減速機構を遊星歯車から平行軸歯車に変えて高効率化
第21回:新型「プリウス」のハイブリッドシステム
累計1000万台の世界販売が視界に入りつつあるトヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)。1997年に発売した初代「プリウス」から現行の4代目まで、トヨタはプリウスの世代交代に合わせてHEVシステムを見直してきた。最新のシステムでは、効率向上と低コスト化に磨きをかけた。日経Automotive
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駆動輪左右のトルクを制御し、旋回力を生み出す
第20回:トルクベクタリング機構
ステアリング操舵で前輪の角度を変える以外にも、車両に旋回力を生み出させる方法がある。(1)駆動輪の左右のトルクを可変制御、(2)ESCで左右輪の片方に制動力をかける、(3)ステアリングホイールの操舵に連動して前輪だけでなく後輪も回転させる4輪操舵──の三つである。日経Automotive
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モーターで補助動力と回生、構造は各社で大きな違い
第19回:ハイブリッド車用の変速機
ハイブリッド車(HEV)の変速機は、モーターによるエンジン動力の補助とエネルギー回生機能を備える。エンジン車に使われるAT(自動変速機)やCVT(無段変速機)を置き換える、ハイブリッドシステムの中核部品だ。モーターでトルクコンバーターを置き換えるタイプが主流である。日経Automotive
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エンジンから変速機に、流体でトルクを伝達
第18回:トルクコンバーター
エンジンの駆動力を変速機に伝達するのがトルクコンバーターだ。自動変速機や無段変速機で使われている。通常は油で駆動力を伝達するが、一部領域ではエンジンと変速機を直結する。直結すると振動の要因になるが伝達損失が減り、燃費性能を向上させられる。日経Automotive
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複雑な3段システムでNOxやPMを無害化
第17回:ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置
ガソリンエンジンに比べて、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)といった有害物質が発生しやすいディーゼルエンジン。このため、年々厳しさを増す排ガス規制を、エンジン単体の改良でクリアすることはほぼ不可能だ。重要な役割を担う、ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置を整理する。日経Automotive
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遊星歯車機構で変速、多段化と効率向上進む
第16回:ステップAT(自動変速機)
ステップAT(自動変速機)の特徴は、遊星歯車機構を重ねて配置することで6速以上の変速を実現している点。小型車で採用が多いCVT(無段変速機)と同様、燃費や効率を追求しているが、ロックアップ領域の拡大などでスポーティーな走りも実現している。日経Automotive
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横置きはベルト、縦置きはチェーンで最適化
第15回:CVT(無段変速機)
変速時に駆動力が途切れず、連続的な変速を実現できるCVT(無段変速機)。変速比幅(減速比の上限/下限)を大きくしやすいため、巡航時の燃費性能に優れる特徴がある。MT(手動変速機)やAT(自動変速機)との差異化を狙った進化の方向性も見えてきた。日経Automotive
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燃料噴射の高圧化と低圧縮比化で性能高める
第14回:乗用車向け直噴ディーゼルエンジン
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて3割程度燃費が良く、欧州やインドなどで多く採用されている。最近では耐騒音や耐振動、排ガス性能が向上し、日本でも搭載車が増えている。今回は、乗用車向けエンジンの特徴を紹介する。日経Automotive
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排ガスで燃焼温度を下げて、NOx抑制や燃費改善を実現
第13回:EGR(排ガス再循環)
エンジン燃焼後の排ガスを再利用する手段に期待が集まっている。EGR(Exhaust Gas Recirculation、排ガス再循環)は、排ガスの一部を取り出して再度吸気させる技術だ。排ガス規制への対応や燃費改善などに欠かせない存在になりつつある。日経Automotive
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ポンピングロスと、吸排気効率を自在に操る
第12回:可変バルブリフト機構
本連載の第1回(2014年7月号)で解説した「可変バルブタイミング機構」は、ガソリンエンジンの効率を向上させる部品として普及しつつある。今後、さらに緻密に吸排気を制御していくためには、エンジンバルブのリフト量さえも可変制御させていくことが大切だ。日経Automotive
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モーター使う電動4WD、環境性能向上にも寄与
第11回:4輪駆動システム(下)
4輪駆動(4WD)車は、操縦安定性や安全性を高められるのが特徴だ。最近では、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などの普及に伴い、モーターを使って4WDを実現する例も増えている。前回の機械式に続いて、今回は電動式4WDを解説する。日経Automotive
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高速走行時の安定性高める、センターデフの違いで4種類
第10回:4輪駆動システム(上)
現在、自動車メーカーが積極的に採用を進めているのが4輪駆動(4WD)システムである。目的は、滑りやすい路面や高速走行時の安定性を高めること。特に、差動装置としてデファレンシャルギアを設けて常時4輪で走行する、機械式の「フルタイム4WD」への期待は高い。日経Automotive
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早く・静かにエンジン再始動、スターターモーターが進化
第9回:アイドリングストップ機構
車両停止時や停止直前にエンジンの稼働を停止するアイドリングストップ機構。軽自動車を含めてほとんどの車種に搭載されるまでになった。エンジンの再始動には、主に3通りの実現方法がある。従来のスターターモーターを使う方式やスターター兼オルタネーター方式などを見ていく。日経Automotive
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最大3個のモーターでエンジン駆動を支援
第8回:ハイブリッドシステム
トヨタ自動車が1997年に2モーターの量産型ハイブリッド車(HEV)「プリウス」を発売して以来、各社は1モーターから3モーターまでのシステムを実用化している。モーターは1個で、駆動用もしくは発電機、両方に対応するものなど、各社の設計思想によって使い方が異なる。日経Automotive
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エンジンとモーターの駆動力を遊星歯車で柔軟に制御
第7回:THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)
トヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)の世界販売台数が700万台を超えた。走行状態に応じて、エンジンの駆動力を走行と発電に柔軟に振り分けできるのが特徴だ。その中核技術が“動力分割機構”と呼ぶ遊星歯車機構である。初代から現在の3代目「プリウス」までこの技術が使われている。日経Automotive
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4輪のブレーキを個別に制御、車両を安定させる
第6回:ESC(横滑り防止装置)
車両の横滑りを防止するESC(横滑り防止装置)。最近、車両の価値を高める手段としてESCが存在感を高めている。車両の横滑りを防ぐだけでなく、坂道発進支援や衝突被害軽減ブレーキなどにも使えるからだ。搭載が義務化され、ESCはクルマに欠かせない装置になっている。日経Automotive
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インジェクターを燃焼室に配置、熱効率高めて燃費性能向上
第5回:直噴ガソリンエンジン
ガソリンエンジンの燃費を左右する重要な要素技術が、燃料の噴射方式である。従来のポート噴射(ポート噴射式インジェクション)に代わって増えているのが直噴(筒内直接噴射式インジェクション)。直噴は、燃焼室の中にインジェクターを配置するため、低燃費を実現しやすい。日経Automotive
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2系統クラッチで迅速に変速、低燃費と走りの楽しさ両立
第4回:DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)
エンジンの駆動力を負荷に応じて適切にタイヤに伝えるのが変速機だ。MT(手動変速機)から、AT(自動変速機)やCVT(無段変速機)などに進化してきた。最近増えているのが伝達効率の高いMTをベースに制御を自動化するDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)だ。日経Automotive