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 ただし、この点に気付いたのはINCJだけではない。既に韓国メーカー勢は、軽さをアピールするタブレット端末製品を投入し始めた。例えば、Samsung Electronics社は2014年8月、8.4型と10.5型の有機ELパネルを用いた「GALAXY Tab S」を日本でも発売した。韓国LG Electronics社は2013年秋に、重さ7.12gの5.98型フレキシブル有機ELパネルを用いたファブレットを発売している。

ファブレット(phablet)=スマートフォンとタブレット端末の中間サイズの製品を指す造語。

印刷法で「敵はいない」

 INCJは、JOLEDにはこうした他の有機ELディスプレーパネルメーカーと競争する上での強力な武器があるとする(表1)。それが、パナソニックが開発した有機EL層を印刷法で製造する技術だ。「思った以上に高い水準で、量産一歩手前にある。製造装置もパナソニックの独自開発で、外に出ていない。これは大きな強みになる」(谷山氏)。

表1 JOLEDと主な有機ELディスプレーパネルメーカーの強みと課題を示した。
表1 JOLEDと主な有機ELディスプレーパネルメーカーの強みと課題を示した。
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 谷山氏によれば、この印刷法の材料利用効率は蒸着法の2~3倍と高い。また、真空装置が不要であることで製造装置の導入コストも低い。「韓国メーカーは有機ELパネルを、比較的小規模の製造ライン、しかも蒸着法で製造しており効率が低い。そのままでは我々の競争相手にはならない」(同氏)。

 課題は、現時点では400ppiを大きく超えるような超高精細の実現は難しい点。その点でも、4Kであっても精細度が300ppi台で済む12~13型のタブレット端末などは良いターゲットなのである。

 パナソニックは大型テレビ向けにこの技術を開発していたが、技術が完成直前になって有機ELテレビという出口が事実上なくなってしまった。「この高い技術を最適な用途で出すことで十分勝機はある」(谷山氏)というわけだ。