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 筆者がエアバッグを実用化するまでの16年間に渡ってイノベーションに挑戦した際、どんな日常を送ってきたのかを紹介したい。

 全く新しいことに挑戦するイノベーションの仕事は企業の業務の中でだいたい5%程度。新しいこと故、「〇年〇月までに完成させる」というような具体的な計画は立てられない。スケジュールに追われる商品開発や生産技術、製造部門の技術者には、こうした環境が「自由にのびのびとやれて羨ましい」と思えるようだ。実際、新車開発の技術者からそのように言われたことは何度もある。しかし、実態は違う。

 イノベーションの仕事は、成功の期日を決めることはできないが、日常業務では、きっちりとした計画を立てる。エアバッグの開発でいえば、クルマの衝突実験の計画を立て、予定通りに実施し、実験結果をまとめる。それだけではなく、一緒に開発しているサプライヤーとの打ち合わせや調整もこなさなければならない。