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 QUADRACが世に問おうとしている技術は2つある。1つは「CCCC(close capacitive coupling communication、容量性結合通信)」と呼ぶ、いわゆる人体通信技術だ。もう1つは電子決済向けの超高速のトランザクション処理が可能なサーバー装置「Q-CORE」である。

図1 人体通信を実現するCCCC
図1 人体通信を実現するCCCC
CCCC(容量性結合通信、close capacitive coupling communication)は導電体または絶縁体を挟んだ電極の一方に電荷を与えると他方に逆の電荷が生じる現象を使って通信を行う方式(a)。QUADRACではISO/IEC17982として国際標準化した。イヤホンと音楽プレーヤーをワイヤレスでつなぐ、自動車のドアを触っただけでカギが開くシステムなど、さまざまなシーンに利用できる(b)。(図:QUADRAC)
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繰り返し送信で信頼性を向上

 CCCCは、物体の左右に電極を接触させ、一方の電極に正の電荷を持たせると、他方が負の電荷を帯びるという原理を使って通信する技術だ。ポケットに入れたスマートフォンと周囲の機器との通信に使える。例えば改札機で、現在のようにFeliCaカードをタッチしなくても、ゲートをくぐるだけで決済できるという使い方を実現できる。この他、スマホとヘッドフォン、心拍センサーなどの体に装着する機器との通信、握るだけで開くドアなどに応用可能だ。

 CCCCは元々、ソニー社内で日下部氏も含めたチームで開発してきた技術である。ソニーでの開発打ち切りに伴い、そのメンバーをQUADRACで引き受けて、事業化することにした。既に実用に向けた技術的な検証は済んでおり、半導体メーカーが対応のICを開発中である。2014年末をメドにサンプルチップが完成する見込みだ。2016年にはNFC機能と統合したICの開発も目指すという。これにより、電子決済などでNFCを使いつつ、CCCCを使ったタッチレス入場など相補的な使い方が可能になる。

 「CCCCを(交通や決済などの)大規模な案件で利用してもらうためには国際標準であることが求められる」(日下部氏)ことから、2012年7月にISO/IEC 17982として規格化した。ただし、CCCCを実用的に利用可能にする技術は、QUADRACが特許として押さえている。