
CFRP(炭素繊維強化樹脂)を巡る技術開発がにわかに活気付いている。CFRP部品の価格を鋼板製部品並みに下げ、大衆車に搭載することを目指した取り組みが急進展し始めたのである。量産車として初めてCFRP骨格を採用したBMW社の「i3」は大きな注目を集めたが、クルマへのCFRPの本格搭載は、今まさに幕が上がったばかりだ。
CFRPが大衆車に搭載へ
CFRP(炭素繊維強化樹脂)を巡る技術開発がにわかに活気付いている。CFRP部品の価格を鋼板製部品並みに下げ、大衆車に搭載することを目指した取り組みが急進展し始めたのである。量産車として初めてCFRP骨格を採用したBMW社の「i3」は大きな注目を集めたが、クルマへのCFRPの本格搭載は、今まさに幕が上がったばかりだ。
2014年4月、世界で初めてCFRP(炭素繊維強化樹脂)を車体の主要骨格に採用した量産車が日本で発売された(図1)。ドイツBMW社の電気自動車「i3」*1である。日経ものづくり
ここでは、さまざまなCFRPがどう造られるのかを炭素繊維まで遡って見ていこう。炭素繊維は繊維なので、それだけで部品を造ることはできない。そのため、樹脂と組み合わせて複合材料として使う。使用する樹脂の種類や炭素繊維の品種、状態(織物や短繊維など多様な形態にすることが可能)によって、CFRPの特徴が大き…日経ものづくり
第1部の冒頭で紹介したように現時点でCFRP(炭素繊維強化樹脂)活用で世界トップを快走するのがドイツBMW社である。同社が電気自動車「i3」の骨格に選択したのは熱硬化性CFRPだ。日経ものづくり
ドイツBMW社の電気自動車「i3」は衆目が一致する量産車である。しかし、価格が約500万円であり、大衆車とはいえない。大衆車に使うためには、さらなるコスト削減が不可欠だ。そこで俄然注目を集めているのが、樹脂成分にポリプロピレン(PP)やポリアミド(PA)などの熱可塑性樹脂を使う熱可塑性CFRPである…日経ものづくり
調査テーマ「CFRP/炭素繊維への取り組み」
高性能材料の代表であるCFRP(炭素繊維強化樹脂)は、これまでスポーツ用品や航空宇宙など限られた分野で使われる材料という印象が強かった。ところが今回の調査では、59.9%が「使用もしくは使用を検討」と回答。使用する製品分野も自動車や産業・一般機械など、着実に裾野を広げつつあることが浮かび上がった。日経ものづくり