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【シミュレーション】鉄道総研、乗客を有限要素法で模擬

 鉄道総合技術研究所は、列車が衝突する際のシミュレーションに使う乗客の有限要素モデルを作成し、鉄道総研技術フォーラムで展示・説明した。モデルは日本人の体格(身長169cm、体重66kg)に合わせ、人体の皮膚、肉、臓器、骨を区別して作った。

 これまで、列車衝突時の乗客のシミュレーションには、機構解析を用いることが多かった。機構解析用モデルは、モデルに組み込んだ“ばね”の向きによって、正面衝突用、側面衝突用などと分かれていた。例えば正面衝突用のモデルでは、前後方向の力は妥当に評価できるが、左右方向の力は過小に評価してしまう。鉄道にはシートベルトがないので、衝突による乗客の動きは自動車の場合よりも複雑になる可能性があり、さまざまな姿勢や動きに対応できる人体モデルが必要だった。

 さらに、自動車などで用いる人体モデルは平均的欧米人の体格を模しているものが多いため、日本人の体格に合わせて修正した。(木崎)