【動向】折り畳み椅子を踏み台にして転倒─家具・住宅設備に注意
製品評価技術基盤機構(NITE)は、家具や住宅用設備による事故について注意喚起を行った。2009~2013年度の5年間にNITEに報告があった家具や住宅用設備による事故の件数は全805件。製品別にみると、机・テーブルや手すりなどに関する事故が多く、主に製品損壊などの物的被害が中心だった。一方、椅子や踏み台、浴室用設備などを中心に死亡事故1件、重傷事故151件、軽傷事故238件の計390件の人的被害の事故もあった。

特に、60歳以上の高齢者の場合は身体機能や平衡感覚の低下などから、バランスを崩して転倒する事故が多く、重傷などの大きな被害に至る割合が高いという。例えば、折り畳み椅子を踏み台として使用したためバランスを崩して転倒・骨折したといった事故などが報告されている。
これら人的被害のあった事故のうち、設計・製造または表示などに問題があるなど、製品に起因するものは155件、製品に起因しないものは129件だった。誤使用や不注意を原因とするものが多いことから、NITEは日頃のメンテナンスや正しい使い方を心掛けるよう呼び掛けている。一方、全805件の事故のうち、社告もしくはリコールがあった製品による事故は331件だった。NITEは自らが公開している社告・リコール情報データベースを活用して、製品に問題がないかを確認するよう促している。(吉田)