2014年ノーベル物理学賞を名城大学終身教授の赤崎勇氏、名古屋大学教授の天野浩氏、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏が「高輝度青色発光ダイオード(以下、青色LED)の発明」について受賞した。スウェーデンの王立科学アカデミーは「白熱電球が20世紀を照らした。21世紀はLEDが照らす」とコメントした。
青色LEDは、日亜化学工業が1993年に世界に先駆けて製品化(図1)。今日、黄色の蛍光体と組み合わせた白色光のLED照明が広く普及している。その基礎となったのが、3氏らが取り組んだ窒化ガリウム(GaN)による青色LEDの研究だ。基本構造の作製には赤崎氏と天野氏のグループ(当時名古屋大学)、その後の実用的な青色LEDの作製と製品化には日亜化学工業の中村氏の研究が大きく貢献している(表)。