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 大阪府立大学が中百舌鳥キャンパス(堺市)に開設した完全人工光型植物工場「グリーンクロックス新世代(GCN)植物工場」が、2014年10月から本格的な稼働を開始した*1。同植物工場の最大の特徴は、ロボットによる自動化や歩留まりの向上を実現する独自技術を導入し、約40%の生産コスト削減を目指している点だ(図1)。

*1 日産5000株の葉物野菜を生産する。なお、植物工場の運営(野菜の生産と販売)は、グリーンクロックス(本社堺市)が担う。

図1●植物工場の生産コスト削減に寄与する技術
作業の自動化による人件費削減、照明や空調の効率化による消費エネルギーの削減などで、植物工場の生産コストを約40%削減する。
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 同植物工場で導入した主な技術は、[1]栽培ベッドを運搬する自走式搬送ロボット、[2]優良苗を選別する苗選別ロボット、[3]栽培中の植物のそばに空気の吐出口を設けたダイレクト送風システム、[4]遠赤色光を用いた植物育成用LED(発光ダイオード)照明*2、[5]太陽電池と蓄電池を一体化した直流給電システム、である。これらの技術によって、人手による作業時間や消費電力の削減、歩留まり向上などを実現する。

*2 オランダRoyal Philips社製の遠赤色(波長750nm付近)を含む4色の植物育成用LED照明を採用。遠赤色光を植物に当てると、生育に伴って葉形状が整う作用があるため光合成の効率が高まり、消費電力当たりの収量がHf蛍光灯比で約2倍になるという。