2014年10月上旬、電機メーカーなどが最新のIT・エレクトロニクス商品を展示する総合展「CEATEC JAPAN 2014」が千葉市の幕張メッセで開催された。開催5日間の来場者数(リピーターを除く)は前年を約1万人上回る15万人強。一段と盛り上がりを見せた会場では、「ある共通の特徴」を持った商品が数多く出品され、来場者の耳目を集めた〔図1(a)〕。この特徴こそが、メーカーが今後、女性技術者をどんどん活用していくべき大きな理由。それを明らかにする前に、その特徴を持つ展示品を幾つか見てみよう。
図1(b)の写真に見える小さな装飾品は、女性向けのヘアゴムの飾り部分(写真左上)と指輪(同右上)、ブローチ(同下)である。一体なぜこれらのアイテムがCEATECに展示されているかというと、これらは実は全て、通信機能付きの活動量計だからだ。スマートフォン(スマホ)に専用アプリケーション(アプリ)をダウンロードしておくと、活動量計で測定した歩数や消費カロリーをスマホに記録できる。サイズはヘアゴムの場合で直径27mm、質量は9g。女性が髪に付けても違和感のない大きさと軽さだ。女性の健康にまつわるスマホアプリなどを手掛けるエムティーアイが企画したものだ。
女性にとって何よりもうれしいのは、ファッションの一部として身にまとえる点だろう。実は女性の衣類にはポケットがないことが多く、一般に販売されている活動量計では常に持ち運ぶことが難しい。かわいらしい外観も女心をくすぐる。