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【技術】CYBERDYNE、作業支援用ロボットスーツを開発

 人の動作を補助する「ロボットスーツHAL」を開発するCYBERDYNEは2014年9月30日、腰部の負担をモーターの補助によって軽減する作業支援用HALを開発し、レンタル提供を開始した。同社は、リハビリテーション向けなどに医療・福祉用HALを開発しているが、作業補助向けに応用するのは初めて。近く大林組に5台を納品し、実際の建設現場において共同で効果などの実証を行う。

 作業支援用HALは、腰部の負担を軽減する機能だけを搭載し、本体質量を約3kgまで軽量化している。太ももと腰、腹部にベルトを巻いて装着すると、腰の真横に左右2つのモーターが配置され、フレームが背中の後方を通る。モーターは太ももへ装着する炭素繊維強化樹脂(CFRP)製の板状部品に固定している。モーターが回転力でフレームを動かし、フレームはベルトでユーザーの腰・腹部を後方に引っ張るように動くので、ユーザーの上体が起きる。ユーザーが上体を起こそうとした際に、体内に流れる微弱な生体電位信号を検知して、モーターを駆動させる仕組みになっている。2次電池によって駆動し、満充電で約2時間使用できる。HALの出力は安全性を考慮して、人の力の25~40%程度に制限されている。

 レンタル料は1カ月当たり12万~14万円程度を想定しており、2014年中にレンタルのみで50台程度を出荷することを目指している。(佐藤)