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TRW買収の狙いは「メガトレンドに対応」

ZF社CEOのStefan Sommer氏

 ドイツZF社CEO(最高経営責任者)のStefan Sommer氏は、2014年9月に発表した米TRW Automotive社を買収したことについて、「2社が一緒になれば、自動車のエレクトロニクス化というメガトレンドに対応できる」と語った。今回の買収でZF社は売上高が300億ユーロ(約4兆3000億円)に達する巨大自動車部品メーカーになる。

 ZF社は、シャシーや変速機、駆動装置などを主力製品とする。一方のTRW社は、エアバッグやブレーキなど安全技術に強みがある。最近は、高度運転支援システム(ADAS)の開発に力を入れていた。2社の技術を組み合わせることでSommer氏は、ADASや自動運転技術、環境技術を「ワンストップで提供できるようになる」と意気込んだ。

 安全や環境の技術開発には巨額の投資がいるが、2社の研究開発を統合すれば「集中的に投資できる」(同氏)とし、開発を加速させる姿勢を示した。2013年の研究開発費は、ZF社が8億5000万ユーロ(約1225億円)、TRW社が6億5000万ユーロ(約937億円)だった。単純合計で15億ユーロ(約2162億円)となる。なお、競合メーカーのドイツBosch社は約45億ユーロ(2013年)、デンソーは約2900億円(2013年度)となっている。