日本で1兆円規模の新市場が生まれるか
ビジネスが変わる!
プローブカー最前線
発行:インプレスR&D
価格:1620円
ISBN:978-4-8443-9641-3
自動車で使う大量のセンサー情報(ビッグデータ)を収集し、活用するサービスに注目が集まっている。著者の三菱総合研究所の杉浦氏と慶應義塾大学の佐藤氏は、こうした自動車ビッグデータを活用することで、国内で1兆円規模の新しい市場ができると予測する。
例えば、カーナビに広告を配信する。現在の自動車の移動は“カーナビ頼み”になっている。自動車ビッグデータを使えば目的地や経路、現在位置の情報などが分かる。このため走行地点の近くにある店舗の広告などをカーナビに配信すれば、広告効果は高まるとみる。米カリフォルニア州の一般家庭の平均外出時間は1日4時間になるが、この間の広告配信などはほとんど行われていない。
1兆円という試算は、関東交通広告協議会による広告効果の調査結果を基にする。雑誌や飲料の電車広告では、1割程度の乗客が購入喚起段階の意識を持つという。携帯電話や化粧品、映画・音楽ソフトの場合は3~4%である。これらの市場規模を考慮し、カーナビに配信した広告で電車広告と同等の効果が得られれば、国内で1兆円規模の市場に相当する。このほかにも物流の効率化や交通事故を減らすことにも役立つと分析する。