PR

後輪の左右のトルクを制御

 また、後輪の左右のトルクを制御するトルク・ベクタリング・デファレンシャルをFR(前部エンジン・後輪駆動)車で初めて採用した(図3)。今回、トヨタが採用した機構は「機械的な構造はドイツBMW社のX6に似ている」(担当者)という。トルクを増幅する遊星歯車機構は英GKN社の部品を用いて、全体のユニットはトヨタが内製している。

図3 オプションのトルクベクタリング機構
GKN社製の機構部品を使い、ユニットはトヨタが内製する。デフの出力を二つに分け、一つの出力はそのまま駆動輪に、もう一つの出力は遊星歯車機構を介して駆動輪に伝える。遊星歯車機構がより早く駆動輪を回そうとするためトルクが増える。
[画像のクリックで拡大表示]

 コーナリング初期には、旋回内輪のトルクを増やして、旋回方向と同じ向きのヨーモーメントを発生させる。一方、旋回中やコーナリング脱出時は、旋回外輪にトルクを加え、操舵角が少なくても旋回できるようにする。

 ポイントはタイヤへの駆動力を二つの経路に分けている点。通常の駆動力はドライブシャフトを介してタイヤに直接伝える。もう一つの経路として、デフケースから遊星歯車を介してタイヤに伝えるパスを用意した。通常、この経路は油圧クラッチにより切り離されているが、トルクを増やしたいときはクラッチをつなぐ。遊星歯車に伝わった駆動力は同機構で約10%増速されてタイヤに伝わる。この時、実際のタイヤの回転数は増えずに、タイヤをより多く回そうとする力の分だけトルクが増える。

 車体はGSをベースに各部を補強し、静的ねじり剛性を高めた(図4)。一つはサイドシルの大断面積化で、もう一つはボディー下部への補強材の追加だ。RCではボディー下部の3カ所に補強材を配置した。さらにRC Fでは、エンジンルームのダッシュパネルと左右のサスペンション取り付け部を結ぶ補強材、後部座席と荷室の間の開口部の変形を抑制する補強材などを追加した。

図4 ボディーのねじり剛性を向上
RCのボディー下面。補強材を追加するとともに、ISに比べてサイドシルの断面積を2倍、断面2次モーメントを5倍にした。静的ねじり剛性は、ISに比べてRCで1.3倍、RC Fでは1.5倍にした。
[画像のクリックで拡大表示]

 新しい塗装方法も取り入れた(図5)。明るく鮮やかな赤や深みのある青を表現できるという。

図5 上塗りを2回繰り返す塗装技術を初採用
「ラディアントレッド」という新色は、中塗り、銀色の上塗り、クリア塗装、赤の上塗り、クリア塗装という5層で構成する。これにより赤の鮮やかさと見る角度を変えたときの陰影感を実現した。
[画像のクリックで拡大表示]