ホンダが正念場を迎えている。昨年から今年にかけて、主力の小型車「フィット」などでリコール(回収・無償修理)が相次いだからだ。再発防止に向けて、「品質重視」のクルマづくりに軌道修正した。品質管理体制を強化した上で、2014年度に入って凍結していた新車販売も12月に再開。ハイブリッド技術や安全技術などを武器に巻き返しに出る。いまこそ、「技術と品質」にこだわってきた同社の底力が問われる。
特集
ホンダ、リコールからの脱却
目次
-
第3の試練を乗り越えられるか
「フィット」と「ヴェゼル」のハイブリッド車(HEV)で、リコール(回収・無償修理)が相次いだ。2014年度の新車発売を凍結し、他の車種も含む車両品質の総点検を実施して原因究明を行った。さらに、四輪事業本部に品質改革担当役員を置き、再発防止に向けて品質管理体制を強化した。ホンダは東日本大震災、タイの大…日経Automotive
-
新体制で品質重視に舵を切る
フィットとヴェゼルのハイブリッド車(HEV)の開発は、新しい技術への挑戦だった。「燃費が良く、乗って楽しいクルマ」を作るために、4輪車への搭載経験がなかった変速機を採用した。しかし、その新技術に対する知見が不足し、量産前に問題を発見できなかった。新しい品質管理体制の下では、開発の期間やコストに対する…日経Automotive
-
連携した部品を機能させる難しさ
フィットのハイブリッドシステム「i-DCD」の5件のリコールのうち、DCT関連が3件に上る。国土交通省への届け出内容によると、その原因は制御プログラムの不具合となっている。しかし、今回のリコールは、プログラムだけが問題だったのではない。見えてきたのは、連携した複数の部品を正確に機能させるための設計の…日経Automotive
-
HEVや安全技術などで巻き返し
品質の総点検を終え、品質管理体制を強化したホンダが反転攻勢に出る。2014年12月に新車販売を再開し、今年度末までに5~6車種を相次いで発売する。新型レジェンドでは、3モーター式ハイブリッド車(HEV)で新たな市場開拓に挑戦する。安全技術では、新しい先進運転支援システム(ADAS)を投入し、先行する…日経Automotive