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プラットフォーム共有で
アジア市場開拓
図A Daimler社でトラック・バス事業を統括するWolfgang Bernhard氏

 2013年に乗用車部門から異動し、Daimler社においてトラック・バス事業を統括するWolfgang Bernhard氏に、同社の強さを聞いた(図A)。

 「商用車の販売台数は地域の経済状況に左右される。このため、新興国の経済成長が足踏みする一方で、景気が回復基調にある西欧や北米では販売が拡大している。また、日本では4月の消費税導入を前に瞬間的に販売台数が伸びるといった状況が起こった。このため、販売台数の絶対値を追うのではなく、各地域でのシェアを重視する」(同氏)というのが基本戦略だ。

 「ドイツや欧州といった地元では当然トップシェアを維持し、変化する北米市場においてもトップシェアを保っている。インドネシア市場は43年間もの間三菱ふそうトラック・バスがトップシェアを握っており、現地の強い販売網と良い関係を保っている。ブラジルは市場全体が低迷する中、シェアを伸ばして2位に食い込むことができた」(同氏)。

 その他の市場では、例えばインドではシェアが4位であるが、直前のジャカルタモーターショーで発表したインド生産の手ごろな価格の新型トラックは、インドネシアをはじめ、アフリカ各国にも輸出してるという。

 同氏は、今後の戦略で鍵となるのは、アジア市場だとする。「世界でプラットフォームを共有し、その地域ごとにベストな部品を選ぶという戦略で製品を開発している。その答えの一つが、インドのBharat Benzブランドで生産する鉱山用トラックだ。基本となるプラットフォームはグローバルに通用する設計であり、部品はDaimler社の品質基準に沿って供給されるため、安定した品質で供給できる」という。

 今回のIAAでは、Euro 6対応や維持費を下げる低燃費化が話題の中心で、開催前夜に発表した自動運転トラック以外は目新しさに欠けた。そこで、今後の電動化や燃料電池車についてはどのように考えているのかを聞いた。

 「三菱ふそうトラック・バスの川崎工場内に2007年にグローバルハイブリッドセンターを設置し、グループ全体のハイブリッド開発における重要な拠点と位置付けている。燃料電池バスやハイブリッドバスに関して語るには時期尚早だが、大型路線バスであるCitaroのパラレル・ハイブリッド・バスや次世代の燃焼電池バスの開発も進めている」とした。

 プラットフォームを共用し、地域ごとに適した部品を選んで市場に合わせた商品展開をすることで、アジアを中心にグローバルでの販売を引き上げ、各市場での存在感を強化する考えだ。
(川端由美=自動車ジャーナリスト)