PR

 近年のMCやTCでは、工具とワークの位置や姿勢を決める制御軸の数が増えており、工具とワークの相対的な位置関係を複雑に制御できる。さらにATCによる工具の使い分けや複数主軸の搭載などによって、段取り替えなしで加工できる形状のバリエーションが広がっている。

 MCはフライス盤を発展させたもので、回転する工具(エンドミルやドリルなど)をワークに押し当てて切削加工する(フライス削りやミリング、マシニングなどと呼ばれる)。任意の位置に穴を開けたり、平面や自由曲面を加工したりするのに向く。

 一方のTCは旋盤を発展させたもので、回転させたワークに対して工具(バイト)を押し当てて削る(旋削)。軸対称の形状を高い精度と効率で加工するのに向いている。

 このMCとTCの両方の長所を併せ持つのが複合加工機だ。従来、フライス削りと旋削の両方を施すためには、TCで加工した後にMCで加工するといったようにワークを受け渡す必要があり、1台の工作機械だけで加工できなかった。複合加工機では、MCに旋削が可能な機構を設けたり、逆にTCにフライス削りが可能な機構を設けたりしている。

 JIS(B 0105:2012)では、複合加工機を「回転工具主軸、連続割出し可能な工作主軸、及び工具マガジンを備え、工具を自動的に交換する機能をもち、工作物の段取り替えなしに、旋削、フライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ切り、ホブ加工などの複数の加工が行える数値制御工作機械」と定義している。

切削加工以外も複合

 このように、従来は別々だった切削加工の機能を1台にまとめたのが複合加工機だが、近年では切削加工以外の機能を取り入れた機械も登場している。特に、3DプリンティングやAdditive Manufacturing(AM)と呼ばれる金属の付加造形と切削加工の両方が可能な機械だ。

 「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2014)」(2014年10月30日~11月4日)では、ソディック、DMG森精機、松浦機械製作所、ヤマザキマザック(愛知県・大口町)の4社が付加造形と切削加工の機能を併せ持つ機械を出展した(特集2を参照)。ヤマザキマザックはさらに、摩擦撹拌接合(FSW)の機能を加えたMCも出展した。

 これらの機械の中には、厳密にはJISの定義から見て複合加工機ではないものが含まれる。そもそも、「工作機械」とはJISによれば「不要な部分を取り除き、所要の形状に作り上げる機械」である。この意味から考えれば、付加造形やFSWの機能に複合加工機の定義を適用するのは無理があるのかもしれない。今後、全く新しい名称で定着する可能性もありそうだ。