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マレーシアの自動車産業

 次に、タイやインドネシアの金型産業を発展させている自動車産業のマレーシアにおける状況について考察してみる。

 マレーシアには1990年代に国策として設立された自動車メーカーProton社が存在する(図4)。同社は10年前までは輸入税の恩恵を受けていたこともあり、国内自動車販売シェアは60%を超えていたが、マレーシアが各国とのFTA(自由貿易協定)締結を積極化したことにより自動車輸入税が下がり、国内販売競争力を失って販売シェアが急激に下がってしまった。現在では諸外国から、「マレーシアには自動車メーカーがない」と思われてしまうほどに販売シェアは落ち込んでしまっている。ものづくりの世界では「自動車産業が繁栄すれば金型産業も繁栄する」と言われている。その重要な自動車産業が育たなかったマレーシアでは、現状のままでは金型産業の繁栄を期待できない状況にある。

図4●マレーシアの国民車であるProton社製セダン
日本で言えば一世代前のデザインと機能か。
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