PR

最大の課題はさらなる軽・薄化

 BT-200の販売開始後、ユーザーからの改善要求の代表例を表1に示す。スマートグラスは言うまでもなくウエアラブル製品であり、ユーザーにまずは身に着けてもらわないと何も始まらない。そのためには小型・軽量化、装着性やデザイン性の向上が最大の技術課題となる。もちろん光学特性面での大画面化、高解像度化なども重要であるが、現状、小型・軽量化とのトレードオフとなっているのも事実である。

表1 BT-200に対して寄せられた代表的なユーザーの改善要求
軽量化やデザイン性向上への要望が多い。究極的には、普通のメガネに近い重量・装着性が求められる。

 BT-200のヘッドセット部の重量は88gであるが、その約半分を光学系(導光板、プロジェクションレンズ、HTPSパネル)が占めている。残る半分は筐体と回路部品である。筐体には重量のある光学系を一定の精度で保持するために剛性が求められる。言い換えれば、光学系が軽量化できれば筐体部品も軽くできる。小型・軽量化のためには光学系の大部分を占める導光板の薄型化が最重要である。

 とはいえ、薄型化を図るのは簡単ではない。最大の理由は導光板内にある光取り出し部(ハーフミラー面)が自由曲面であると同時に、導光板内を伝搬してくる光束を目の方向に“取り出す”役割があるためだ。この光取り出し部は全反射条件を満たしながら伝搬する光束を目に導くため、所定の角度に傾斜してある。さらに光取り出し部の大きさは最大画角光束幅が決まれば、一意に決まる(図6)。よって傾斜角度と最大画角(画面サイズ)により導光板厚みがほぼ決まってしまう。導光板をさらに厚くすれば、画角を広げることは可能であるが、当然重量が増加してしまう。BT-200では両眼シースルーとして必要最低限の画面サイズと重量バランスについて試作などにより検証を重ねた結果、画角23度と厚み約10mmにした。つまり、現在のような構造では画角を犠牲にしないと、薄くすることはできない。

図6 導光板の薄型化への課題
図6 導光板の薄型化への課題
光取り出し部(ハーフミラー部)は全反射条件を満足させるために、所定の角度に傾斜させる必要がある。その傾斜角度と画角(画面サイズ)によって導光板の厚みが決定してしまう。
[画像のクリックで拡大表示]