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良い製品は優れたアーキテクチャーから

 以上のように、システムアーキテクチャーの構成要素は、インプットとなる機能要求やトレードオフ分析結果から論理的に導出できる。論理アーキテクチャーの作成では機能の「分解」と「統合」から構成要素を定義し、物理アーキテクチャーの作成では「分離」と「集約」によって構成要素を再構成した。ここで、改めて感じることは、インプットとなる要求の重要さである。要求が曖昧だったり、未定義のままだったりでは、良いアーキテクチャーは構築できない。

 人々に新しい価値を提供し、新しい未来を創造するような要求と、厳しい環境条件をクリアする要求・制約は、高い要求であればあるほどアーキテクチャーの重要性が高くなる。アーキテクトが魂を込め、熟考から生み出されたアーキテクチャーは、最良の製品を生み出す源泉となるだけでなく、開発者やメンテナンス者などのすべての人にとって扱いやすい最善・最良のシステムアーキテクチャーと言えるだろう。

■参考文献

1)INCOSE, Systems Engineering Handbook, 2010.

2)IEEE1220 IEEE Standard f or Application and Management of the Systems Engineering.

3)清水吉男、『要求を仕様化する技術・表現する技術 ─仕様が書けていますか?』、技術評論社、2010年

4)v. L. Axel, From System Goals to Software Architecture,2003.

5)OMG Systems Modeling Language Version 1.3, 2012.

斎藤 賢一 さいとう・けんいち
エクスモーション
電機メーカーおよびOA機器メーカーにおいて、ソフトウエア工学的アプローチによる組み込みソフトウエアの開発および開発技術の社内展開・普及活動に携わる。現在はエクスモーションにおいて、システムアーキテクチャー構築、要求仕様定義、モデル駆動開発、派生開発のコンサルティングに従事。