PR

【技術】東北大学、身体に貼ると発電するバイオ電流パッチを開発

 東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏の研究グループは、酵素反応を利用して発電し、皮膚を通した薬剤浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」を開発した。絆創膏(ばんそうこう)のように皮膚に貼るだけで発電できるため、外部電源の採用が難しい家庭用ヘルスケア商品などへの応用が期待できる。

[画像のクリックで拡大表示]

 同パッチは、糖分や薬剤などを含むハイドロゲル、酵素を固定化した炭素繊維布、ウレタンゴムと導電性高分子の複合体である抵抗、シリコーンゴム製フレーム、O2透過性のメディカルテープなどで構成される。ハイドロゲルが電解質、炭素繊維布が電極の役割を果たす。ハイドロゲルも2つに分かれており、アノード(負極)とカソード(正極)の電極それぞれと接触している。抵抗は電極間を連絡する。全体の大きさは幅3cm、奥行き1cm、厚さ0.5mm。

 皮膚に同パッチを貼ると発電が始まる。まずアノード側で酵素反応が起こり、糖分が酸化されて陽イオンと電子が生じる。この電子は、抵抗を通ってカソード側へ流れていき、カソード側で空気中のO2を還元する反応を起こす。

 アノード側で増えた陽イオンは、皮膚を通してカソード側へイオン電流として流れていく。このときの電流値は人が痛みを感じる値よりも小さく、安全だという。アノード側のハイドロゲルに含ませた薬剤は、陽イオンの移動に伴って生じる組織液の流れに乗って皮膚内への浸透が早まる。同パッチの出力は6時間以上持続する。(佐藤)