PR

パワコンや鉄道はフルSiCに

 安価なコストと高い信頼性を求める自動車にSiCが載ることで、他の分野でもSiCの採用がさらに広がりそうだ。中でも、太陽光発電システム用のパワーコンディショナー(パワコン)と、鉄道車両を駆動するモーター用のインバーターでさらにSiCの採用が広がる。

 パワコンでは、既にSiCダイオードの採用が始まっており、今後はトランジスタまでSiCを用いる「フルSiC」品が増えそうだ。

 例えば、三菱電機は2014年夏、2015年1月にフルSiCの家庭用パワコンを発売することを明らかにした(図2)。オムロンもフルSiCの家庭用パワコンを開発し、2015年度中の製品化を狙う。家庭用パワコンだけでなく、より高出力の業務用パワコンでもフルSiC化が始まった。富士電機は、出力1000kWのメガソーラー向けパワコンの量産を2014年8月から始めた。

図2 パワコンではフルSiC
図2 パワコンではフルSiC
太陽光発電向けパワーコンディショナーに、SiCのダイオードとトランジスタの両方を利用する「フルSiC化」が進んでいる。例えば、三菱電機は、出力4.4kWの家庭用パワコン製品に適用した(a)。オムロンも、フルSiCの出力5.9kWの家庭用パワコンを開発中(b)。富士電機は、メガソーラー向けの出力1000kWのパワコンをフルSiCにした(c)。(写真:(c)は富士電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 鉄道分野でも、フルSiC化の波が押し寄せている。例えば小田急電鉄は、リニューアルした通勤車両「1000形」でフルSiCのインバーターを採用する(図3)。2014年12月から営業運転を始める予定だ。2015年秋に営業運転を始める予定のJR東日本の山手線の新型車両「E235系」も、フルSiCインバーターの採用を検討しているもよう。いずれ、新幹線のような高速鉄道にも広がる見込みだ。

図3 鉄道へのSiC採用は既定路線に
図3 鉄道へのSiC採用は既定路線に
2012年に東京メトロ銀座線を皮切りに、鉄道の駆動用インバーター(主回路)へのSiCダイオード採用が広がっている。2014年中にはMOSFETを適用したフルSiCの車両も登場する見込みだ。駆動部だけでなく、空調などの補助電源にも、SiCの採用が始まっている。今後は、新幹線のような高速鉄道にもSiCが採用される可能性が高い。(写真:各社)
[画像のクリックで拡大表示]