PR

 この活動の母体は、同社のインキュベーションセンター内に設けられた「“動くモノ”開発プロジェクト」。その第1弾として、小出力のモーターから大出力のモーターまでを同じコマンドで簡単に動かせるモーターモジュールを提供する(図1)。提供開始は現時点では確定していないが、「2015年3月末までに、機器開発者にサンプル品の貸し出しを始めたい」(ルネサス インキュベーションセンター センター長の水野正之氏)という。

図1 モーターと制御ボードをセットで提供
図1 モーターと制御ボードをセットで提供
セットで提供することで、モーターの種類によらず、抽象的な制御コマンドで動作させられるようになる。具体的にはArduinoなどのワンボードマイコンのシリアルインターフェースにモーターの制御ボードを接続し、ルネサスが定義した簡易なAPI(application programming interface)を使って「回転数」「回転角度」「トルク」などを指定するだけで、モーターを動かせる。
[画像のクリックで拡大表示]

 これまでモーターを搭載した製品を開発するには、モーター制御用の駆動回路を用意する必要があった。この駆動回路はモーターの種類ごとに用意する必要があり、制御パラメーターも機種ごとに調整しなければならなかった。さらに、モーターを利用するための統一的な通信インターフェースがなかったため、開発者が個別にプロトコルを定義する必要があった。こうした問題が壁となり、「個人の開発者が、なかなか動きを持った機器に手を出しにくかった」(水野氏)。

 ルネサスのモーターモジュールでは、モーターと制御回路を一体化して提供することで、駆動回路やパラメーター設定などを不要にした。通信コマンドもルネサス側で定義し、モーターの出力の大小にかかわらず、同じシリアルインターフェースを使えるようにした。コマンドとしては、回転速度や回転回数、回転角度、発生トルクなどを定義した。ArduinoやRaspberry Piなど向けのSDKも用意する。

 今後は、モジュールを採用した機器の動作を模擬できるシミュレーターや、部品や電子回路の設計図、ソフトなどを共有できる仕組みを用意する計画である。国や地域が異なる個人が協働して機器を開発したり、他の開発者の設計を流用・改良したりできるようにするためだ。