Automotive Report
目次
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吸湿後の破裂は「分からなかった」
硝安“悪玉論”にタカタ技術者が語る
エアバッグの巨大リコールの原因となったタカタ製インフレーター(図1)。いまだに容器が破裂する原因が分からない中、自動車メーカー各社が今後採用しない方針を表明した。“悪玉”にされるのが、ガス発生剤に使う硝酸アンモニウム(硝安)だ。タカタはなぜ同化合物を採用したのか。
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人工知能研究で攻めに出る
トヨタがシリコンバレーに新会社
トヨタ自動車が、人工知能の研究開発拠点となるTOYOTA RESEARCH INSTITUTE(TRI)社を、米国シリコンバレーに設立する。2020年までの5年間に約10億ドル(1ドル=120円換算で約1200億円)を投じる計画だ。
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変速比幅を8.7に拡大して燃費向上
ジヤトコの改良型副変速機付きCVT
ジヤトコは、変速比幅を8.7に拡大した小型FF(前部エンジン・前輪駆動)車用のCVT(無段変速機)「CVT7 W/R(ワイドレンジ)」を日産自動車と共同で開発した(図1)。変速比幅が7.3だった従来品に対して燃費を3%向上できる。中国で発売した日産「LANNIA(ラニア)」に搭載を始めた。
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設計改善で高トルクに対応
英GKN社の電子制御式デフロック機構
英GKN社は2015年11月に新型の電子制御式デフロック機構を公開した。従来より高トルクに対応でき、消費電力も低減する。既にトヨタ自動車の新型「Hilux」などに採用されている(図1)。
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軽に自動ブレーキ、ITS関連部品も
CEATEC JAPAN 2015報告
2015年10月、IT・エレクトロニクスの展示会「CEATEC JAPAN 2015」が開催された。自動車関連では、普及車向け車載カメラやITS(高度道路交通システム)関連部品など、予防安全に関連した展示物が多く見られた。
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PSAとRenault、自動運転車を発表
ITS世界会議2015
ITS世界会議が2015年10月、フランス・ボルドーで開かれた。地元フランスのPSA Peugeot CitroenグループやRenault社が自動運転車を公開したほか、Valeo社が赤外線レーザースキャナー、パナソニックがディープラーニング(深層学習)を使った画像処理技術を展示した。
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安く小さく、地図連携も狙う
パイオニアが自動運転用LIDARに参入
自動運転車に使える3次元赤外線レーザースキャナー(LIDAR:Light Detection and Ranging)の開発競争が激しくなってきた。2015年9月、パイオニアが新たに参入すると発表。これまでコニカミノルタや豊田中央研究所、フランスValeo社などが開発に着手したことを明らかにしている…
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モーターで照射範囲を連続的に変える
新型フォレスターのLEDヘッドランプ
富士重工業は2015年10月に部分改良した新型「フォレスター」に、LEDヘッドランプの照射範囲をハイビームからロービームまで連続的に変えられるシステムを搭載した(図1)。回転式の遮蔽板を採用したのが特徴で、照射範囲を自在に調整できる。
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消費者行動に変化、透明性が競争力に
サステナビリティーに関する国際シンポジウム
自動車業界におけるサステナビリティー(持続可能性)に関する国際シンポジウムが、2015年10月15~16日にイタリア・ベネチアで開催された。自動車メーカーからは、トヨタ自動車とドイツBMW社が登壇。産業界だけでなく、学術界やNGO団体の関係者も集まって、サステナビリティーや透明性の重要性を議論した。
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FCVの普及率は2%にとどまる
自動車ロードマップ2050
2050年のクルマはどうなっているのか──。UKコンサルタント代表の浮穴浩二氏が著した「自動車ロードマップ2050」(発行:日経BP社)では、2050年までのパワートレーンの普及率に加えて、クルマの進化を促す技術やサービス、環境変化などの予測を示した。
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「グアユール」由来のタイヤを試作
ブリヂストンの新天然ゴム資源
天然ゴムの供給源の多様化に向けた取り組みが一歩前進した。ブリヂストンは2015年10月、キク科の低木「グアユール」由来の天然ゴムを使用した最初のタイヤが完成したと発表した(図)。現在、タイヤの主要な原料である天然ゴムは、その約9割が東南アジアで生育する「ゴムの木(パラゴムノキ)」から採取されている。
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2030年から始まるAutomotive4.0
自動運転セミナー報告
日経Automotiveは2015年10月、「完全自動運転がもたらすインパクトと自動車産業の革新」と題したセミナーを開催した。コンサルティング会社であるローランド・ベルガーのコンサルタント陣が講演し、2030年の自動車産業を展望した。
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後方も自動ブレーキで衝突回避
コンチネンタルの技術試乗会
「自動駐車で後方の障害物を検知して自動で停止する」「ウインカーを倒すと、自動で車線変更する」「ブレーキペダルの踏み込み量に応じたブレーキのフィーリングをソフトウエアで変えられる」──ドイツContinental社の日本法人であるコンチネンタル・ジャパンは、2015年9月に開催した報道陣向けの技術試乗…
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政府機関による環境整備が進展
自動運転に向けた国際動向
内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)は2015年9月に開催した報告会で、自動運転実現に向けた各国政府機関の取り組みを紹介した(表)。実証実験のための環境整備や、事故が起きた場合の責任の所在を明らかにする議論が進展している。
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CAN FDかEthernetか、5Gを自動車に
2020年の車載ネットワーク
2015年9月、日経Automotiveは都内でセミナー「激変!車載ネットワーク」を開催した。専門家7人が講演。2020年に、有線と無線の車載ネットワークの構成がガラリと変わる可能性が見えてきた。
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オーストリアGRAZ工科大学が総合優勝
第13回全日本学生フォーミュラ大会
自動車技術会が主催する「第13回全日本学生フォーミュラ大会」が、2015年9月に静岡県のエコパ(小笠山総合運動公園)で開催された(図1)。大学・高専の学生を中心としたチームが競技車両(単座のフォーミュラーマシン)を設計・製作、性能と共にプレゼンテーションなど包括的な活動内容を競うもので、今年は90チ…
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インドネシアに必要なのは、原材料と部品
アジアものづくりカンファレンス報告
日経BP社と海外産業人材育成協会(HIDA)らは2015年9月、インドネシアのジャカルタで「アジアものづくりカンファレンス」を開催した(図1)。トヨタ自動車やダイハツ工業、スズキなどの現地法人が登壇し、インドネシアのものづくりで重視している点や競争力を高めるための課題について講演した。現地の技術者、…
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システム流用でエンジン車と同価格
Daimler社のディーゼルハイブリッド
ドイツDaimler社は2015年8月、ディーゼルHEV(ハイブリッド車)「S300h」の販売を日本で開始した。製造コストを抑えて、同クラスのディーゼルエンジン車「S350d」と同価格にした。また、JC08モード燃費は20.7km/Lであり、クラス最高水準を実現した。
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部品の現地調達を拡大、燃費も改善
ダイハツ工業のASEANエンジン
ダイハツ工業はASEAN(東南アジア諸国連合)向けの新型エンジンを、インドネシア専用の新型MPV(多目的乗用車)「Xenia」などに搭載した(図)。製造コストを抑えるために部品の現地調達率を高めた他、従来のエンジンに比べて燃費を改善した。インドネシアに続き、2016年半ばにはマレーシアでも生産を始め…
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車載電池の国際規則対応が始まる
エスペックの「バッテリー安全認証センター」
環境試験器を手掛けるエスペックは2015年9月、車載用2次電池の安全性に関する国連規則の認証申請ができる試験所「バッテリー安全認証センター」を栃木県宇都宮市内に開設した(図)。国連規則対応の安全性試験から認証申請までをこの試験所で実施できる。