Automotive Report
目次
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グループで新興国市場に挑む
トヨタの新ディーゼルエンジン「GD型」
トヨタ自動車が、15年ぶりに刷新した4気筒ディーゼルエンジンが「GD型」である(図1、表)。従来の排気量が2.5L/3.0Lの「KD型」から2.4L/2.8Lにダウンサイジング。欧州の排ガス規制「Euro6」に対応し、燃費性能を最大で15%高めた。競争力を大きく向上し、新興国戦略の要と言えるエンジン…
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着せ替え開始、3Dプリンター活用も
ダイハツ工業の「コペンセロ」
ダイハツ工業は2015年6月、軽スポーツカー「コペン」に「セロ」を追加した(図1)。これまで「ローブ」と「XPLAY」という2モデルを発売しており、第3のモデルとなる。10月からは、ボディー外板だけを交換し、違うデザインに着せ替えられるキットも発売する。
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ECUは高耐熱、電池は積極放熱へ
熱対策の新提案が続々
自動車の熱対策に関する新しい技術や提案が続々と登場している。背景にあるのは、内燃機関車における燃費改善や環境規制への対応と、プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)で求められている省電力化だ。
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2017年に1.2GPa級を米国で供給
新日鉄住金の高張力鋼板
新日鉄住金は、成形性に優れる1.2GPa級の高張力鋼板を米国で生産することを決めた。冷間プレスで、自動車のボディー骨格部品に加工できる。米国の自動車メーカーや、北米に生産拠点を持つ日本メーカーなどへの供給を2017年に開始する。日本の鉄鋼メーカーが同鋼板を海外で生産するのは、今回が初めてである。
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モデルベース開発を上流に適用
次期「プリウス」の車載ソフトウエア
トヨタ自動車は2015年内に発売予定の次期「プリウス」の開発で、モデルベース開発のツールの適用範囲を拡大しているようだ。ハイブリッドシステムの制御ソフトウエアの開発において、従来よりもさらに上流まで適用していることを明らかにした。
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ドイツが新規格を提案、米国対抗か
自動車セキュリティーの主導権争い始まる
自動車セキュリティーの標準規格を巡り、世界で主導権争いが始まった。ドイツが、国際標準化機構(ISO)で新しい規格の策定を提案したことが分かった。米国に対抗する動きとみられる。
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エネルギー密度6倍の可能性
リチウムイオン電池の新正極材
電気自動車(EV)向けにエネルギー密度の向上が求められているリチウムイオン電池(LIB)。その質量エネルギー密度を「リーフ」など現行EV向けLIBの6倍超に高められる可能性を持った新しい正極材の候補が登場した。東京電機大学工学部環境化学科准教授の薮内直明氏らの研究グループが合成に成功したマンガンニオ…
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FPGA大手買収でADAS市場攻略
Intel社が車載事業を強化
米Intel社が自動車市場攻略の武器を手に入れる。同社は2015年6月、FPGA(Field-Programmable Gate Array)メーカー大手の米Altera社を167億ドル(1ドル=120円換算で約2兆円)で買収すると発表した。今回の買収は、Intel社として過去最大だ。
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駆動用モーターの鉄損を抑制
黒田精工のプレス技術
黒田精工は欧州で、高効率の駆動用モーターコアの供給を年内にも始める。モーターコアを構成する電磁鋼板をアクリル系接着剤で接着する新工法を開発し、渦電流の発生を抑えた(図1)。同じ性能であれば電磁鋼板の枚数を減らせ、モーターの小型化も可能になる。
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Tesla車ベースの自動運転車を公開
Bosch社の技術戦略説明会
ドイツBosch社は2015年6月、報道関係者向けに技術戦略説明会「62nd International Automotive Press Briefing」をドイツのボックスベルグ市で開催した。自動運転や電動化といった自動車のメガトレンドに対応する姿勢を示した。
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トヨタ新型カローラが最高評価
2014年度自動車アセスメント
国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)は2015年5月、クルマの安全性能を実車で試験する「自動車アセスメント」の2014年度結果を発表した。自動ブレーキで事故を予防する予防安全性能を新規導入し、安全性を総合的に比較できるようにした。評価の明暗を分けたのは、自動ブレーキの衝突回避性能となった。
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簡易表示・ハンズフリーで安全に
ナビタイムのスマホと連携する車載ディスプレー
ナビタイムジャパンは、スマホのナビ情報を車載ディスプレーに表示するシステムを開発した。メーターパネルやルームミラーに組み込んだ小型ディスプレーに必要最少限の情報だけを表示する。さらに同社は、カーナビ事業で得たビッグデータをさまざまなビジネスに活用する取り組みも見せている。
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配線なくし耐久性と信頼性向上
ワイヤレス駆動のインホイールモーター
東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授の藤本博志氏らの研究グループは、東洋電機製造や日本精工と共同でワイヤレス電力伝送を用いて駆動するインホイールモーターを世界で初めて開発し、電気自動車(EV)を走行させることに成功した(図1)。駆動配線をなくせるため、車両の耐久性・信頼性の向上が期待できる。
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マツダの自動運転は運転者が主体
「次世代自動車2015セミナー」報告
日経Automotiveと日経ビジネスは2015年4月に自動車関連のセミナー「次世代自動車2015発刊記念セミナー、クルマの未来~自動運転、インダストリー4.0で自動車業界はどう変わる」を開催した。マツダが同社の目指す自動運転の姿を紹介したほか、コンサルタントがインダストリー4.0の影響などについて…
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国内の不振で北米依存が鮮明に
自動車8社の2014年度決算
自動車メーカーの2014年度(2014年4月~2015年3月)連結決算では、8社のうち4社が過去最高の営業利益を達成した。2015年度も4社が過去最高益になる見通しである(表1)。ただし、日本や一部のアジア市場の回復には時間がかかるため、販売が好調な北米市場への依存が鮮明になっている。
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TNGAで安全性・視認性を向上
トヨタの次世代プラットフォーム
トヨタ自動車は、クルマ作りの構造改革「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に対応した新しい車体を公開した(図1)。低重心にして走りの性能を高めただけでなく、フードの位置を下げておりスポーティーなデザインも可能になる。2015年内に対応車を発売する計画だ。
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ECUの「設計指針」、富士通と協業
トヨタグループがセキュリティー対策に本腰
トヨタ自動車やデンソーなどが出資するトヨタIT開発センターと富士通は、自動車のセキュリティーを高める取り組みで協業する。2社は2015年4月、自動車をハッキングから守る技術を共同で開発していることを明らかにした。
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ルネサスのマイコンは“強く”なったか
部品メーカーのサプライチェーン対策
「1個でも部品がないとクルマは造れない」。本誌2015年5月号の解説「東北に自動車産業は根付くか」の中で、日産自動車の購買担当者は訴えた。自動車メーカーは部品の安定供給を実現すべく、様々な対策を講じた(詳細は5月号の記事参照)。では、部品を供給する側のサプライヤーは、自動車メーカーの要求にどう応える…
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運転特性で若者の保険料安く
自動車保険がビッグデータを活用
車両の走行データを使った自動車保険が日本で始まった。ソニー損害保険やあいおいニッセイ同和損保が実用化した。ビッグデータを活用することで、特に若い世代の保険料を安くできる可能性がある。
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2015年内にも車両向け規格整う
「ワイヤレス給電シンポジウム2015」セミナー報告
無線で電力を伝送するワイヤレス給電。既にスマートフォンなどでは製品化済みだが、自動車でもいよいよ実用フェーズに突入する。早ければ2015年内にも製品化に向けた環境が整うためだ。本誌主催のセミナー「ワイヤレス給電シンポジウム2015」では、動向に詳しい関係者7人が登壇した。